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(CC: bagio 4ever)

私の住む関西には、素晴らしい神社が沢山あります。このサイトでは、全国津々浦々のパワースポットをご紹介しています。自分が行きやすく、また、行ったこともあることから関西の神社やお寺を紹介することが多いのですが、超有名な京都だけではなく、少しマイナーな滋賀県にも実は素晴らしいお寺や神社は沢山あるのです!

近年、神社とアニメがコラボしている例が沢山あるのですが、滋賀県は大津市にある近江神宮(おうみじんぐう)は競技けるたにかける高校生たちの青春の描いた漫画、「ちはやふる」の舞台となった神社なのです。というのも、数多くのかるた競技会の開催場所だから。映画でもロケ場所となっていました。近江神宮は比叡山の麓に位置し、すぐ近くには日吉大社、また向かいの山からは比叡山、延暦寺が見下ろす場所に鎮座しています。今回は、競技かるた、そしてそのかるたに懸ける青春を描いた “ちはやふる” の聖地となった近江神宮をご紹介したいと思います。

近江神宮ってどんな神社?

近江神宮は第38代天智天皇をお祀りしています。琵琶湖西岸にある近江大津宮跡は天智天皇の古都、全国16社の勅祭社の一社であり、4月20日の例祭(近江大津宮遷都記念日)には、天皇陛下の御名代として毎年宮中より御勅使を御差遣いただいています。

実は近江神宮のご鎮座は昭和15年11月7日であり、神社としての歴史は新しいのです。つまり、京都にあるような何千年と続く歴史の古い神社というわけではないということですね。しかし、滋賀県・近江国の発展は平安京の前に大津宮に都をおかれたことに始まりました。天智天皇が大津宮を愛したことからも、古くから湖国では天智天皇に対する崇敬が厚く、天智天皇に関係する伝説や神社などが県内各地に残されています。大津市が古都保存法によって古都として指定されているのも、大津宮遷都に基づいているからです。創建は新しくても1350年の歴史を背負う神社だと言えるでしょう。明治30年ころから滋賀県民の間に天智天皇を祀る神宮の創建運動が高まり、昭和に入って昭和天皇の御勅許を賜わり、昭和15年に創建の運びとなりました。

境内地は約6万坪あります。社殿は近江造りあるいは昭和造りと呼ばれ、山麓の斜面に本殿・内外拝殿を回廊が取り囲み、近代神社建築の代表的なものとして、平成10年より国の登録文化財として登録されています。このサイトでご紹介してきた中でも、神社の建築様式が近代式なものというのはとても珍しいですね!
(CC: bagio 4ever)  こちらは外拝殿から内拝殿、本殿をのぞむ光景です。

近江神宮は「時計」の神様

天智天皇は初めて「漏刻」という水を使って時刻を知らせる時計を作ったと記録されています。これが、天智10年4月25日、斉明天皇のの時代で、自らがまだ皇太子で中大兄皇子と呼ばれていた610年にすでに初めて漏刻を作った記録も残っています。記録に残っている日付から、天智10年のその日を太陽暦(グレゴリオ暦)に直して6月10日が時の記念日となりました。

漏刻・水時計そのものは、古く3500年前からエジプト・バビロニアで使われていたことが確認されています。中国でも前漢のころの文献にも出土品にも残され、この後多くの文献に図面や絵、また実物も残されており、この中国から伝わった知識のもとに日本でも作られたと考えられます。

(CC: KENPEI)

近江神宮が日本で最古の”漏刻”=日本で最古の時計の発祥地であることから、様々なメーカーから時計が寄進されています。こちらの日時計は岐阜天文台の矢橋徳太郎氏が考案した”矢橋式日時計”というもの。方角ごとに比叡山や琵琶湖に浮かぶ竹生島、大阪城や出雲大社、それに天智天皇にとって重要な場所、白村江の方角なども刻まれています。こちらの日時計以外に、漏刻=水時計や龍を象った火時計なども展示されています。

この時計館宝物殿では、様々な珍しい時計が展示されています。(1階の時計館には高松宮家(有栖川宮家伝来)から御下賜されたわが国最古級の懐中時計や、各種の和時計をはじめ古今東西の時計、2階の宝物館には曾我蕭白「楼閣山水図屏風」(重要文化財 展示品は複製)や河井寛次郎の陶器、刺繍で織った百人一首織かるたなど)
こちらの宝物殿は有料(入館料:300円)となっています。

(CC: そらみみ)

かるた決戦の地、近江神宮

昨今、近江神宮の名前を全国的に知らしめたのは、何といっても漫画「ちはやふる」で紹介されている”競技かるた大会”のではないでしょうか?私もたまにテレビで見かけたことがありますが、どこで行われているのか、また近江神宮が競技かるたの甲子園と呼ばれていることも知りませんでした。
1月に行われる競技かるた名人位・クイーン位決定戦を筆頭に、かるた祭、高松宮記念杯全国競技かるた大会(A~E級戦までが二日にかけて行われる)、春には全国小・中学学校かるた大会、夏には全国高等学校かるた選手権大会、10月に再度競技かるた名人位・クイーン位決定戦予選(近江神宮で西日本予選 東京で東日本予選、11月下旬に京都で東西予選優勝者により挑戦者決定戦)など、年間を通してかるた大会が行われています!結構な数です。          近江神宮HP かるた行事暦
ものすごいスピードでパシッ、パシッとかるたを跳ね飛ばしていく技は神業のようです。でも、競技かるたはれっきとした種目で、高等学校かるた選手権では全国から選ばれた52校が対戦します。また、かるた部が存在する高校も沢山あり、伝統的というだけではなく、日本人であれば若者のなかにもしっかりと浸透している文化なんだなぁと感心していました。かるたを早く取るにはもちろん百人一首を暗記していることは必須ですが、学生の頃にはこの暗記にすったもんだしていましたからね~

”ちはやふる”のアニメや映画を記念して、沿線の京阪電車ではラッピング電車が走っていました。また、現在でも、
「かるた、なりきり体験!」と称して袴をレンタルしてくれるサービスもあります。競技会には出られないけれど、袴をきればクィーンにはなりきれる?!かもしれませんね!

(出典:ちはやふる ロケめぐりMAP in 大津)近江神宮HP キモノ体験レンタル・かるたなりきり体験

まとめ

今回は、競技かるたの聖地である、新しいけれど、古い歴史も背負った近江神宮をご紹介してきました。参拝はしていませんが、昨日(2018.11.18)に近江神宮の前を通りかかる機会があり見かけると大変な賑わいでした。紅葉の季節で、七五三や宮参りの方々も沢山おられたんだと思います。
近江神宮は京都からも近く、また、すぐ近くに日吉大社や比叡山延暦寺もあるので、一緒にお参りすることもお薦めです。ぜひ、かるたの殿堂であり、知る人ぞ知る、時計の発祥地である近江神宮へ一度参られてみて下さいね!

(出典:ちはやふる ロケめぐりMAP in 大津)

京都駅より湖西線乗換 JR大津京駅下車(京都駅より 11分)
JR大津京駅の階段下に案内図があります
JR大津京駅~京阪大津京駅は150mほどの徒歩連絡で乗換可能 次の近江神宮前駅下車 徒歩9分