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今は秋。実は、一年のうちで結婚式が多い月は10、11月なんです。春の4~6月も多い季節ですが、秋は結婚式にはベストシーズンです。

そんな結婚式ですが、日本でよく知られている結婚式にはどのような形態があるかご存知でしょうか?現在、一般的な挙式スタイルとして行われているのはキリスト教式、人前式そして神前式、いわゆる和婚スタイルの3つです。そして、今、神社で挙げる結婚式の人気がじわじわと上がってきているんです!

神社は日本人にとってはとても馴染みが深い場所。確かに神社婚は増えつつあるような気がします。二年前の12月に京都の貴船神社にお参りに行った時にも、結婚式を挙げられている方を見かけました。

でも、そんな神社で結婚式が挙げられることはあまり知られていないかもしれません。そこで、今回は、神社婚、いわゆる和装婚のよさ、そしてデメリットもお伝えしたいと思います。

一般的な神前式の流れ

神前式とは主に神社で行われることがほとんどで(お寺の場合もあります。私の妹は仏前結婚式を挙げました)、結婚を祖先の神々に報告するという、昔ながらの日本の伝統的な挙式スタイルを取っています。神道の教えに基づいた婚礼の儀式であり、始まりは明治33年に大正天皇が日比谷大神社で行った結婚式からと言われています。

チャペル式の結婚式は参列された経験のある方も多いでしょうが、神前式の流れはよく分からない方も多いではないでしょうか?神前式の流れは以下のようになります。

神前式の流れ

流れから見てもらっても分かるように、神前式ではチャペル式のバージンロードを歩く儀式の代わりに “花嫁行列” があり、指輪の交換も行います。聞きなれない言葉が多そうですが、そんなに難しいものではありません。

神前式はリーズナブル

神社で挙げる結婚式は本来とてもリーズナブルです。まず、神社に収める初穂料ですが、初穂料そのものは安く、大体70,000~150,000円ほどの所が殆どです。例えば、世界遺産である京都の上賀茂神社でも、初穂料は10万円。この初穂料に基本的な衣装と写真がつくプランがスタンダードプランだと言えるでしょう。詳細は以下の通り。

・初穂料(挙式の謝礼として神社に納めるお金) 5~15万円
・雅楽などの演奏 3~5万円
・衣装料金(白無垢) 1着15~20万円
・衣装料金(紋服) 5~10万円
・ヘアメイク料金 5~8万円
・その他(写真撮影料金など) 内容等により変動

では、神前式は他の挙式スタイルと比べた全体的な費用はどうなのでしょうか?

神社の神殿内は個人での写真撮影が不可のケースが多いので、神社の専属のカメラマンにお願いをすることになります。特に大きな神社では、カメラマンを用意されているところが多いです。

すべての項目をパックにして料金を設定している神社もありますので、その場合はトータルでお得になることもありますが、挙式料金としては約20万円、衣装やヘアメイクなど必須の項目を加えるとおおよそ50万円が目安です。

写真は外注することもできます!

神社が契約している写真館ではなく、自分たちで写真だけを手配することも可能です。

こちらの写真館では衣装やメイクも含めた様々なプランがあり、こちらで前撮りをして、当日は出張撮影を依頼することもできます。

結婚式の前撮りとして、フォトウェディングに【婚礼京町家室内撮影プラン】


ちなみに、神社以外で結婚式を行った場合との挙式料金を比較してみると、

・結婚式場・・・46.8万円
・ホテル・・・28.2万円
・ゲストハウス・・・50.4万円
・神社・・・19.8万円
(ゼクシィ結婚トレンド調査2016調べ)
こうして比べてみると、神前式の結婚式費用は低くなっていることが分かります。


神前式のメリット

・日本人ならではの奥ゆかしさを実感
1970年代頃までは、特に地方ではまだ自宅から嫁入り先までハイヤーに乗って行き、婚家の間から花嫁行列を行うパターンはよく見られた風景だったと思います。それを今は神社で再現することができます。真っ白な着物にすべてを包み、うつむき加減でそろりそろりと歩く花嫁の姿は、古きよき日本人の象徴。神社で挙げる結婚式ならではの、日本人の奥ゆかしさを実感できるのが、神社での結婚式の魅力のひとつだと言えるでしょう。

・親族や年配層にはとても喜ばれる
神前式は家同士のつながりを重んじる伝統に則った挙式スタイルのため、やはり年配層の方々からはウケが良く、喜んでもらえたなどのお声も多く聞かれます。

・何度も訪れることができる
神社は今後も残り続ける建物であり、挙式後も初詣や七五三などの行事のたびに訪れることができまず。自分が結婚式を挙げた場所で、お子さんが生まれた後も行事ごとに利用できる点は嬉しいですよね!

・写真撮影が美しい庭園を背景に行うことができる
これは神社にもよりますが、例えば世界遺産の下鴨神社だと敷地面積は700坪!美しい庭園を、四季折々の演出も取り混ぜながら写真撮影を行うことが出来ます。今だとちょうど紅葉シーズンが見頃。混みいった境内ではなく、心から祝福してくれる人たちに囲まれながら安心して景色を楽しむことが出来るのもメリットの一つと言えるでしょう。

・雅楽などの演奏を頼むことが出来る
雅楽演奏などは神社ほ拝殿で行われることが殆ど。素敵な演出になることは間違いありません。

・披露宴会場がセットになっていることが多い
大きい神社ですと、神社の敷地内に披露宴会場が行える会場があるところが多く、その場合は移動が大変楽です。参列者に年配者が多く、移動の配慮の必要性がある場合は大きな利点になると言えます。

神前式のデメリット

神前式にもデメリットはあります。大きく分けると
・天候に左右されてしまう
・挙式には列席できるのは親族のみの場合もある
・バリアフリーの設備が整っていない

神前式は参道から本殿へ向かう道筋や写真撮影が戸外で行われるため、天候に左右されてしまうデメリットがあります。雨天の場合のパターンを予め考慮しておく必要がありますね。
また、挙式は、親族杯の儀」にあるように両家の縁を結ぶ意味合いもあるため、基本的には、挙式に列席できるのは両家の親族のみとなっています。本殿のスペースが限られていることも、親族のみの列席の一因かと考えられます。
神社は建てられた時期が古いため、バリアフリーや車椅子対応はできていない神社もあるでしょう。事前にしっかり確認しておくことが大切ですね!

まとめ

パワースポットとして昨今、今までにないくらい注目されている神社。その伝統の良さを見直そうと、今、神前式、和婚の良さが見直されています。ゼクシィ2016年の調査によると、2014年には神前式は16.8%でしたが、2016年には18.2%に増えています。世界遺産登録をされている神社が増えていることからも、神前式は増える傾向にあると考えられます。古き良き日本の伝統に則った和婚スタイル、ご結婚をお考えの方々にはぜひ一考して頂きたいと思います!
(写真は(出典:貴船神社) )