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1041483 / Pixabay

少子化が叫ばれて久しい日本。

確かに子供の数は減ってはきているものの、それでも子供はお母さんから産まれてきます。出産はとても個人的な経験ですが、初めての出産となると不安も大きいですよね。でも、そんな妊婦さんたちの強い味方となってくれる存在があります。それは、神社やお寺の安産の神様なんです!

私も初めての子を産むときはとても不安でした。ちゃんと産めるだろうか、痛くないだろうか・・・と不安になり、近所の氏神様にお参りしたのです。お参りすると腹帯が頂けて、それを身に着けるととても楽になったこと、また自然と不安が和らいでいって心が落ち着いたのを覚えています。なので、安産祈願をすることはとてもお薦めです。今回は関西で有名な安産の神様をご紹介したいと思います。

安産祈願って、何?

安産祈願とは、妊娠五ヶ月目の戌(いぬ)の日に寺社に参拝して授かった赤ちゃんの無事な成長と安産を祈願し、 「帯祝い」と称して妊婦の腹に木綿の布で作られた腹帯(岩田帯)を巻き始める、という習慣です。犬のお産は軽いと言われているのでそれにあやかるため。月のうちの “戌の日”に参拝するのが通説ですが、”戌の日” は腹帯を巻き始めるのにいい日という意味合いで、参拝は絶対に戌の日にしなくてはいけないというものではありません。

中山寺

(山門)

(本殿 ) 中山寺 ホームページ

中山寺は聖徳太子による創建が伝えられています。幕末には、当山の鐘の緒を受けた中山一位局が明治天皇を御平産されたことで明治天皇勅願所となり、「安産の寺」として全国から多くの人が訪れすようになりました。
中山寺の安産祈願はとても有名です。事前予約は必要がなく、安産祈願の情報は以下の通り。祈願後には授与品を頂き、後ほど、10日間身代わりのご祈祷をされたお札(妊婦さまの氏名を書き入れたもの)を、約2週間ほどで自宅へ郵送してくれます。

受付場所
本堂(左手受付)

受付時間
9時〜16時随時受付

ご祈祷料
7,000円

必要事項
妊婦さまの氏名・ふりがな・生年月日・電話番号・お札の送り先(住所・宛先人の氏名・電話番号)


<アクセス>
・阪急電鉄宝塚線 中山観音駅から北へ徒歩約1分
・JR宝塚線 中山寺駅から北西へ徒歩約10分

石清水八幡宮

石清水八幡宮も安産祈願として有名な神社です。また、全国に40,000社ある八幡社の三大総本山の一つとされています。起源は平安時代始め、清和天皇の貞観元(859)年、南都大安寺の僧・行教和尚がご神託を受けたことに始まり、朝廷は翌貞観2(860)年、男山の峯にに八幡造(はちまんづくり)の社殿(六宇の宝殿[ろくうのほうでん])を造営し、4月3日に御遷座されました。

石清水八幡宮の安産の由来は東御前の御祭神・神功皇后様は、『古事記』によると「神功皇后が戦に出征された時、お腹には応神天皇を身ごもっておられた。そこで石を帯の中に巻きつけて、妊娠を悟られないようにしお腹を守り、険しい表情をした男性の顔があしらわれた兜をかぶり、無事に戦に勝利し、戻られて応神天皇をお産みになられた」とあり、その故事に因んだことで安産の神様として篤く信仰されています。

安産祈願は事前予約必要なし、直接社務所に赴いて申し込みましょう。ご祈祷の受付時間は年末年始に限り変動があるので、ホームページ等で詳しい情報は事前にチェックしましょう。初穂料は¥10,000以上となっています。

<アクセス>
◇京都方面より
京都駅から近鉄電車「丹波橋駅」あるいはJR「東福寺駅」のりかえ
京阪電車「八幡市駅」~男山ケーブル「男山山上駅」 下車徒歩5分

◇大阪方面より
地下鉄御堂筋線「淀屋橋駅」あるいはJR環状線「京橋駅」からそれぞれ連絡のりかえにて
京阪電車「八幡市駅」~男山ケーブル「男山山上駅」 下車徒歩5分


住吉大社


大阪で安産祈願として有名なのは住吉大社です。第四本宮の祭神「神功皇后(じんぐうこうごう)」は、身籠ったまま出陣され、住吉大神の神徳により無事帰還し、御子の応神天皇(八幡神)をお生みになられました。その故事にならって、妊婦は安産の帯を締める習俗が、今に伝わり、安産の神様として祀られるようになりました。

安産祈願の申し込みは以下の通り:
住吉大社では、ご祈祷をして下さいます。授与品は、腹帯(祈祷済み)、子まもり、誕生石の御守がセットになっています。

■受付場所 : 祈祷受付(本殿向かって左側)
■受付時間 : 毎日9時~16時(予約は受付けておりません。随時ご案内をいたしております。)
■電話での問合せ先 : 住吉大社社務所 06-6672-0753

(腹帯はさらしかコルセットタイプかどちらかを選べます)

(子まもりは出産に至るまで十月十日、我が子を思うように毎日優しく触れてやり、出産時には命を思い握りしめてください。 お生まれになった後、お礼参りにて木の玉にお子様の誕生日とお名前を書いて納めてください)

<アクセス>
南海鉄道
・南海本線「住吉大社駅」から東へ徒歩3分
・南海高野線「住吉東駅」から西へ徒歩5分

阪堺電気軌道
阪堺線 「住吉鳥居前駅」から徒歩すぐ


敷地神社(わら神社)

(CC:  Yanajin33)

わら天神宮の起源は、太古 山背国葛野郡衣笠村 (やましろのくにかどのぐんきぬがさむら) に降臨された北山の神で、 その成立は平安建都以前と推定されています。天長八年(西暦831年)、この地に氷室が設けられることとなり、その夫役として 加賀国の人々が移住してご祭神を木花開耶姫命と定め、神社を創建しました。

古来より稲わらで編んだ籠に神饌を入れて神様に捧げており、 やがて抜け落ちたわらを、安産を願う妊婦さんが持ち帰るようになりました。後にそのわらを切り取り、安産のお守りとして 妊婦さんに授与するようになったのです。そのわらのお守りの珍しさから「わら天神宮」の通称が広まり定着しました。そのお守りのわらにふしがあれば男の子、なければ女の子が産まれるとの言い伝えが妊婦さんの間で語り継がれてきました。

わら神社では、予めご祈祷を済ませた腹帯やお守りをご用意されています。安定期に入られてから、妊娠5ヶ月頃を目安にお参りし、当日は安産祈願の「腹帯あり」もしくは「腹帯なし」の一式を社務所でお受けになったあと、社殿にご参拝します。(特に予約は必要なし)
・腹帯あり一式 7,000円
・腹帯なし一式 4,000円

またご祈祷は、出産予定日の一週間から15日前の九か月九日、つまり「苦を超える」に参拝し、名前を呼ばれたご祈祷を授けて下さいます。

<アクセス>
住所 京都市北区衣笠天神森町10番地
電話番号 075-461-7676
受付時間 8時半より17時まで
JR京都駅より市バス50・101系統30分、バス停 「わら天神前」より徒歩3分

帯解寺


帯解寺(おびとけでら)は、奈良市今市町にある華厳宗の寺で、本尊は地蔵菩薩です。安産祈願のエピソードがいつくかります。長らく世継ぎに恵まれなかった文徳天皇后の染殿皇后(藤原明子)が祈願をしたところ、惟仁親王(後の清和天皇)が生まれたことから、天安2年(858年)、文徳天皇の勅願により伽藍が建立され、勅命により帯解寺と名乗るようになりました。以来、安産・子授け祈願の寺として朝野を問わず篤い信仰を集めるようになったのです。江戸時代には、江戸幕府第3代将軍・徳川家光に世継ぎがなく、側室の御楽の方が当寺にて祈願したところ、竹千代丸(4代将軍・徳川家綱)を無事出産されました。また、徳川第2代将軍・徳川秀忠の正室・崇源院の安産祈願したことも有名です。20世紀以降も美智子皇后、雅子皇太子妃をはじめ、三笠宮、高円宮、秋篠宮などの皇族が帯解寺において安産祈願を行われたそうです!将軍家や皇室と縁の深い、安産祈願のお寺なんですね。

帯解寺のご祈祷は午前8時半から16時半まで、安産祈願は予約なしで受付されています。初穂料はご祈祷、御守り、お札を合わせて¥10,000です。腹帯代は別料金になっているので、持ち込みも可。帯解寺 腹帯について
腹帯を購入される方は、御朱印もして頂けます。

(安産祈祷の手順)

安産祈祷申込用紙に必要事項を記入
・出産予定日
・ご夫婦のお名前、ご住所、お電話番号
・妊婦さまの数え年
(申込用紙は受付および受付左横の机にございます。尚、ご祈祷時に読み上げさせていただきますので、読みやすいよう、楷書ではっきりとお書き下さい)

受付へ。係の者が以下の事項の確認をさせていただきます。
・お書きいただいた申込用紙の必要事項の確認
・腹帯の有無
・腹帯をご購入される場合はどの腹帯をご希望か
(ご購入またはご持参いただいた腹帯はこの時に受付にてお預かり致します)

確認完了後、受付にて御祈祷料(+腹帯代)をお納め下さい。
以上で受付が完了となります。

ご案内いたしました待合室にてお待ち下さい。

お名前を呼ばれましたら本堂へお入り下さい。

御祈祷(約30分)
(お預かりした腹帯もこの時ご本尊様ご宝前にお祀りし、ご一緒にご祈祷いたします)

御祈祷終了後、御祈祷札、お守り、お預かりした腹帯等を授与させていただきます。
以上が大まかな安産祈祷の手順となっております。  帯解寺 ご祈祷案内

<アクセス>
🔶大阪から
JR大和路快速加茂行きもしくは奈良行き、奈良乗り換え。
JR万葉まほろぼ線(桜井線)帯解駅(奈良より7分)下車徒歩5分。帯解駅からは北へ100メートル。
🔶京都から
・JR奈良線快速または普通奈良行き、終点奈良乗り換え
・JR万葉まほろぼ線(桜井線)帯解駅(奈良より7分)下車徒歩5分。帯解駅からは北へ100メートル
・近鉄特急奈良行き奈良下車。奈良交通バス天理駅行き、下山(帯解寺前)下車徒歩15分(西へ300メートル)
・近鉄奈良駅から奈良交通バス市内循環にてJR奈良駅へ。JR万葉まほろぼ線(桜井線)帯解駅下車徒歩5分  (参照地図:帯解寺 交通案内

まとめ

さて、今回は妊婦さんの強い味方、安産の神様をご紹介してきました。どの神社やお寺も安産の神様を祀り、妊婦さんを心強く応援してくれます。ご祈祷済みの腹帯を身に付ければ、妊婦生活も健やかで快適なものになるに違いありません。私も腹帯を付けていましたが、腹帯によって随分身体の不調を助けてもらいました。
今回ご紹介したお寺や神社はすべてホームページもあり詳しいご祈祷情報もありますので、ぜひご参考になさって下さい。日本中の妊婦の皆様の、健やかなご出産を心よりお祈り申し上げます!!