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日本全国に存在する強力なパワースポット。
神社はその筆頭で、この頃は沢山の方が寺社仏閣を訪れるようになりました。

私が住む関西も、京都を始め奈良、滋賀、和歌山と沢山の素晴らしい寺社仏閣が存在します。お寺では仏教が信仰され、神社では神道が信仰されていますが、日本の神道において信仰のルーツとなっているものは自然です。

その信仰のルーツの中でもメインになるものに「山岳信仰」というものがあります。関西では比叡山に建てられた延暦寺が有名ですが、関西からは遠い東北の地にも「山岳信仰」に基づいた素晴らしい神社があります。

その中の一つが、山形県にある出羽三山神社。山岳信仰では修験道という宗教が取り入れられていて、出羽三山では修験道の体験もできます。その神秘に迫りたく、今回は、関西からはちょっと遠い、山形の出羽三山神社をご紹介したいと思います!

 

 

 

 

 

 

 

旅館 羽黒館
※ 出羽三山(羽黒山・月山・湯殿山)へお参りするにはぴったりの宿を併せてご紹介します。

【羽黒山へご参拝】
羽黒館のある「手向(門前町)エリア」は、羽黒山参詣者が多く訪れる宿坊街。大きな大きな杉木立が立ち並ぶ中、凛と佇む、国宝「羽黒山五重塔」の入り口までは、羽黒館より、徒歩10分程で行ける距離です。

出羽三山とは?由緒

関西からは遠い東北地方は山形県。山形県と言えば冬は雪国、そして出羽三山は、山形県は村山地方から庄内地方にまたがる月山(がっさん)・羽黒山(はぐろさん)・湯殿山(ゆどのさん)の三つの山のことを指します。

それぞれのお山に神社はありますが、月山・湯殿山は冬季は参拝が出来なくなるので、羽黒山に歯黒神社(三神合祭殿)が祀られています(湯殿11月1日の湯殿山閉山祭をもって、11月3日に閉山)。

出羽三山の由緒は、明治時代までは神仏習合の権現を祀る修験道の山であったということ。明治以降は神山となり、羽黒山は稲倉魂命、月山は月読命、湯殿山は大山祇命、大国主命、少彦名命の三神が祀られています。開山以来、羽黒派古修験道は継承され、出羽三山に寄せる信仰は今も変わっていません。

羽黒山神社

羽黒山神社への行き方は、JR羽越本線「鶴岡」駅前から「羽黒山頂」行きのバスで約40分、終点から4つ手前の「隋神門」で下車します。そのまま頂上まで行くこともできますが、途中国宝の五重塔などを通り過ぎてしまうことになるので隋神門で下車します。隋神門をくぐるとそこはすでに出羽三山の神域。

「継子坂」と呼ばれる石畳の道を下って行くと、いくつもの社が現れ、道は一旦、平坦になり、その間を進んで行くと、「祓川」に掛った鮮やかな朱塗りの「祓川神橋」が目を引き、その対岸に勢いよく水しぶきを上げる「須賀の滝」が現れます。

滝を後にして左に進むと、周囲10m、樹齢1,000年以上とも言われる「爺杉(じじすぎ)」が聳え、それを過ごしてさらに進むと正面に現れるのが、国宝「羽黒山五重塔」です。

(爺杉(推定年齢1000年)とその後ろに控える五重塔)

五重塔を過ぎると、いよいよ「羽黒山」頂上に通ずる2,446段(!)の石段が始まります。石段は一の坂、二の坂、三の坂と続きます。三の坂を登り小前方に「羽黒山頂大鳥居」が見えて来たら、頂上はもうすぐ。

頂上には、堂々とした「出羽三山神社」が鎮座しています。正式名は「出羽三山神社 三神合祭殿」で、「湯殿山神社」「月山神社」「出羽山神社」が併せて祀られています。

もとより、「月山神社」と「湯殿山神社」は冬季の参拝や祭典を取り行うことが出来ないため、三山の行事は全て羽黒山頂の合祭殿で行われるようになりました。出羽神社の厚さ2Mほどもある茅葺き屋根の重厚さもさることながら、それぞれの社殿名を掲げた「三神社号額」には圧倒されるような迫力があります。

(2枚とも、CC: Yoshio Kohara)

一の坂、二の坂、三の坂と頑張って2,446段の階段を上りきるのにおよそ一時間。登りきって辿り着いた「出羽三山神社」では、いまあることの「現世」に感謝の念を捧げましょう。三山を巡ったことになる羽黒山の三神合祭殿では、五穀豊穣、諸産業隆昌、諸願成就などのご利益どっさりです!

月山神社

【月山神社本宮】
月山は海抜1,984mの火山で、8合目まではバスや車で入ることが出来ますが、そこから頂上までは3時間の登山。頂上に月山神社があります。ご祭神は月読命

約千年前に作られた延喜式神名帳にのる明神神社で、古くから朝廷を始め庶民の信仰の篤い神社でした。もと東北唯一の官幣大社で、国の殊遇を受けていました。月山神社は水を司る農業神、また、航海漁澇の神として広く信仰を集めています。

【月山八合目弥陀ヶ原】
羽黒より登山バスで約1時間、月山八合目にある海抜1400m附近につらなる湿原。この湿原は高冷地ゆえに枯草が腐る事なく、泥炭層が何万年となく積み重なり出来た湿原です。6月~7月頃は、一面

のお花畑となるとのこと。小さな湖沼が散在し、あたかも神々の御田を見るような美しさです。

主祭神の月読命は月を象徴する神様として、夜、海、魂や死後の命の再生とよみがえりを司ります。月山神社では「前世」の自分と出会い、「現生」への甦りと再生を祈ります。開山時期(7月1日から9月下旬)は、山頂に駐在する宮司さんにお祓いを受けてから参拝します)。

湯殿山神社

湯殿山神社へは、鶴岡駅からバスで1時間20分。湯殿山神社の大鳥居は平成5年10月に竣工されました。湯殿山は修験道の聖地と言われている山です。

その昔、三山が神仏習合であった時代、三山に入る修行を「三関三渡」と言いました。羽黒山は観音菩薩(現在)、月山は阿弥陀如来(過去)、葉山や薬師岳は薬師如来(未来)とされ、それらの加護と導きにより現在・過去・未来の三関を乗り越え、生まれ変わりを体現するというもの。この修験道の修行を体験することができます。

湯殿山神社では、来栖を祈ります。ご祭神は大山祇命、大国主命、少彦名命。

また、湯殿山神社は厳しい修行の場所であり神域であることから、人工物は置かないと本殿がありません。また、参拝に際して現在でも履き物を脱ぎ、裸足になり、御祓いを受けてからでなければお詣りは許されていません。

裸足になってご神体に登拝するのは、大日如来と一体になって感得するためです。

(本宮)

湯殿山本宮には「ご神牛」も安置されています。また「湯殿山神社里之宮(山形市)」にも、子宝祈願・安産祈願のご利益があるとされている「願い牛」が安置されています。

湯殿山神社のお祓いは、人形を(ひとがた)を受付でいただいてき、お祓いを受けて人形に身体の穢れを移して水に流すもの。

ご神体はお湯の湧き出る茶色の岩です。

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まとめ

さて、今回は東北は山形県随一のパワースポットである出羽三山にある3つの神社をご紹介しました。神社が3社存在し、全部回れない人のためにそのうちの一つに合算神社があるパターンも全国には多く存在しています。

今回の出羽三山神社は、冬になると雪の閉ざされて入れなくなる神社があること、また、三つの神社がそれぞれ「現生」、「前世」、「来世」を司ること。

また、頂上まで着くのに3時間もかかったり、素足でお祓いを受けてからでないと参拝できないなど、参拝するだけでもちょっとハードルが高そうですが、生まれ変わりを体験するのは少し大変なことなのかもしれません。

でも、山岳信仰のある山の風景は、心打たれる厳かなものであることは確かなこと。出羽三山へ行かれて、ささやかな “生まれ変わり”を体験してみるのはいかがでしょうか?

写真はすべて、出羽三山神社ホームページ

出羽三山神社(でわさんざんじんじゃ)
TEL/0235-62-2355
住所/山形県鶴岡市羽黒町手向7
営業時間/8時30分~17時  定休日/なし
アクセス/電車:JR鶴岡駅より庄内交通バス羽黒山頂・月山8合目行きで55分、羽黒山頂より徒歩5分
車:山形道庄内あさひICより30分
駐車場/400台