日本人の生活に溶け込んでいる神社や仏閣にお参りする習慣。でも、
私たちの殆どが、それらの神社に祀られている神様たちのことは知らないのでは
ないでしょうか?
神社巡りを楽しむ上で、古事記を知ると神様のことがよく分かるように
なります。古事記には様々なエピソードがあり、そのエピソードに出てくる
神様の多くが神社に祀られているからです。もともと日本の神道という宗教では
八百万の神様がいらっしゃいますが、その中でも特に知っておかなければ
いけない、重要な5大神様をご紹介したいと思います。
イザナギノミコト(伊邪那岐命)
イザナギノミコトは神生み、国生みの男神です。イザナミを妻とし、
淡路島など数々の島を生み、日本列島を造りました。アマテラスやスサノオを
はじめ、多くの神々の父親でもあります。妻が亡くなると黄泉の国
(死者の国)まで会いに行くという愛情深い神様で、夫婦円満、子孫繁栄、
長命のご利益などで有名です。
伊邪那岐命の有名な神社: 多賀大社(滋賀県)
イザナミノミコト(伊邪那美命)
イザナギの妻として神や日本を生んだ女神。イザナギと共に日本最初の
夫婦神です。しかし、火の神を出産したことがもとの火傷で亡くなって
しまいます。そして、死んでしまってからは死後の国、黄泉の国の主祭神と
なります。イザナギとともに祀られ、万物を生み出す神として信仰されています。
伊邪那岐命の有名な神社: 多賀大社(滋賀県)
アマテラスオオミカミ(天照大御神)
イザナギから生まれた女神。天上界である高天原を治める太陽神である。
八百万の神々の最高位に位置し、皇室の祖神とされています。
全国の神明神社はアマテラスが御祭神で、その総本宮が伊勢神宮内宮です。
アマテラスオオミカミには日頃の感謝を示すことで、全般的な開運に導いて
くれます。
天照大御神の有名な神社:芝大神宮、元命神宮(ともに東京)
スサノオノミコト(建速須佐之男命)
アマテラスの弟。イザナギから誕生。父神であるイザナギから海を治めるように
命じられますが、母(イザナミ)のいる国に行きたいと反抗したために追放されて
流浪の身になりました。その後出雲に降り、ヤマタノオロチ(大蛇)を殺して
美しい妻を得ます。乱暴者ですが、強大な力で厄を祓い、困難を乗り越え、
縁結び、開運など多くの願いごとを叶えてくれます。
建速須佐之男命の有名な神社:武蔵一宮 氷川神社(埼玉)、須賀神社(京都)
オオクニヌシノミコト(大国主命)
スサノオの子孫。オオクニヌシミコトはワニに毛をむしられた白ウサギを助けた
「因幡の白ウサギ」のお話でも有名です。スサノオが与えた試練に耐え、
人間界を治め、出雲の国造りを行いました。「古事記」によれば、
多くの女神と結ばれ「百八十」の神をもうけたとあり、良縁や子孫繁栄に
ご利益があると言われています。
大国主命の有名な神社:出雲大社
神さまのまとめ
こうして見ていくと、神話の神様たちが神社の御祭神として祀られ、
知らず知らずのうちに私たち日本人の意識の中に根付いていることがよく
分かります。「因幡の白ウサギ」や「ヤマタノオロチ」のお話しは、
誰もが一度は聞いたことのあるお話しではないでしょうか。
自分たちが日ごろよく参拝に行く産土神や氏神様が祀られている神様も、
ひょっとしたらこの五大神のうちのどなたかであるかもしれませんよね。
こうやって、神話を紐解くことで、神社や神社の神様への理解が深まり、
神社に足を運ぶきっかけになれば嬉しくと思います。