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六波羅蜜寺は、ちょうど京都南部エリアに位置する西国札所

第十七番に当たる寺院です。このお寺は住宅街にひっそりと

佇むお寺ながら、国宝、重要文化財として指定されている木像彫刻が

14体も安置されています。また、六波羅蜜寺はこれらの有名な

木像彫刻の他によく当たると評判の開運おみくじでも有名です。

私も2018年8月9日に六波羅蜜寺へお参りに行ってきました!

京都では8月のお盆の季節に“蔓灯祭”という御先祖をお迎えする

精霊むかえの行事があり、六波羅蜜寺ではちょうどこの行事が

執り行われていました。通常の閉館時間は17時ですが、この3日間は

21時まで開館されています。宝物館は閉館していたので仏像を

見ることは出来ませんでした。しかし、精霊迎えの何とも言えず

不思議な雰囲気は味わうことが出来ました。今回は、小ぶりながらも

存在感を放つ六波羅蜜寺にスポット当てて、ご紹介したいと思います。

1.六波羅蜜寺 成り立ち

六波羅蜜寺は、天暦5年(951)醍醐天皇の第二皇子である、

光勝空也上人により開創された西国第17番の札所です。もともとは

西光寺という名称でしたが、空也上人没後六波羅蜜寺と改称されました。

空也上人は、当時京都で流行した疫病を退散させようと、自ら

十一面観音を刻み、御仏を車に安置して街へ繰り出して庶民救済に

奔走しました。そのため彼は“市聖”と呼ばれました。

空也上人が民衆の前で繰り返し口にしたのは、難しい仏教の教えを

一言でまとめた「南無阿弥陀仏」。空也上人が唱えた南無阿弥陀仏の

言葉が6体の阿弥陀仏に見えたという空也上人像は大変有名で、

宝物殿で拝観できます。

<2.国宝・重要文化財

実は、六波羅蜜寺には重要文化財として、平安・鎌倉の木像彫刻を

代表する名宝が数多く安置されています。本尊は十一面観音です。

宝物殿安置の仏像の一覧は以下の通り:、

・平安時代
【国宝】 十一面観音立像
【重文】 薬師如来坐像
【重文】 地蔵菩薩立像
【重文】 多聞天立像
【重文】 広目天立像
【重文】 持国天立像

・鎌倉時代
【重文】 増長天立像
【重文】 地蔵菩薩坐像
【重文】 吉祥天女像
【重文】 閻魔大王像
【重文】 弘法大師像
【重文】 空也上人像
【重文】 平清盛坐像
【重文】 運慶坐像
【重文】 湛慶坐像

空也上人立像 鎌倉時代(重要文化財)
六波羅蜜寺の中で最も有名なのは空也上人像でしょう。これは、

運慶の四男、康勝の作とされています。空也上人が京の市内を、

わらじをはき、鹿の角の杖を突いて、首から下げた鉦(かね)を

鳴らして、念仏を唱えながら歩いた姿を現した像です。空也が

持っている鹿の杖はもともと空也が貴船山にこもっていた時に

可愛がっていた鹿が殺されてしまい、その鹿を空也が哀れんで

自分自身の杖に付けたものだそうです。

この像の最もユニークなところは、空也上人が南無阿弥陀仏を

唱えると、口から唱えた「南・無・阿・弥・陀・仏」の言葉の一つ一つが

6体の阿弥陀如来に変わって飛び出しているところです。

実際に空也上人が念仏を唱えると大日如来に変わっていったとの

伝説に基づいています。


(出典:六波羅蜜寺)

平清盛坐像 鎌倉時代(重要文化財)
こちらの平清盛の坐像も有名です。お像の高さは82.7センチメートル

あります。この像の清盛はすでに武将としてではなく、手に経巻

を持って平家一門の武運を祈願する、仏門に入り仏に使える者

としての印象が強くなっています。手元の巻物からそらした視線や

微妙な指の動き、自然な目線の表現などが特徴的です。


(出典:六波羅蜜寺)

湛慶坐像・運慶坐像
わが国の彫刻界の黄金期を築いた運慶・湛慶(運慶の長男)の

父子の像も安置されています。

3.開運おみくじ

六波羅蜜寺のおみくじは、四柱推命をもとに生年月日と性別から

一年間の(その年の2月4日から翌年の2月3日まで)運勢を占う

おみくじで、よく当たると大変評判なおみくじです。

昔仮名遣いで書かれているので読みづらい箇所は解説書がもらえるので

安心です。一年間を占ってくれるおみくじも珍しいかと思いますが、

おみくじの体験者によると、単によく当たるだけでなく、「勇気をもらえた」、

「生き方の指針となった」など、やはり評判のようです。六波羅蜜寺では

郵送でもこの開運おみくじの授与をして下さいます。 このおみくじの

評判ぶりがよく分かると思います。

まとめ

今回は六波羅蜜寺とご紹介してきました。同じエリアにある清水寺や

高台寺のように、目立つ存在ではないかもしれませんが、国宝・

重要文化財の木造仏像を多く安置している六波羅蜜寺は、

一度は訪れてじっくりと見てみたいそんなお寺だと思います。

平清盛像なども、昔歴史の教科書に出てきたな、ぐらいの

認識しかなかったとしても、実際に木像を拝観してみることで

有名な歴史上の人物を身近に感じられるかもしれません。

私も今回は仏像は見ることが出来なかったので、次回また改めて

ゆっくり訪れてみたいと思っています。