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伏見稲荷大社。
こ子最近、「外国人が一番訪れたい神社 No.1」にも選ばれたことのある、全国30,000はあるとされるお稲荷さんの総本山です。

伏見稲荷大社は京阪電車、伏見稲荷駅を出て7分ほど歩き、見えてくる
赤い鳥居をくぐって進んでいくと着くことができます。私は祖父の会社が
伏見稲荷に鳥居を奉納していたことから、小学校ぐらいまでは毎年
お正月に伏見稲荷大社を参拝していました。

数多くの鳥居が並んでいて、その中をくぐって山頂まで辿りつくのですが、その風景は一風変わったものだったことを覚えています。その伏見稲荷にも京都の七不思議があると聞き、今回はこの独特の雰囲気を持つ伏見稲荷の七不思議を調べてみました!

京の七不思議とは?

京の七不思議とは、文字通り京都に伝わる不思議のことです。京都は歴史が大変古いので、至るところに様々な不思議が存在します。また、一つの場所にある不思議も7つ以上のそんざいする場合も多々あります。何かの怪や地獄・極楽とつながっているとされる場所さえあります。
京都観光に行く時に、ちょっとそんな不思議も一緒に回ってみるとまた一味変わって面白いのではないでしょうか?

伏見稲荷大社の神様

伏見稲荷大社の七不思議を見ていく前に、簡単に伏見稲荷の成り立ちを
おさらいしましょう。

伏見稲荷、つまり「稲荷」信仰には諸説あるようですが、祭神は五柱、

・宇迦之御魂大神 (うかのみたまのおおかみ) – 下社(中央座)
・佐田彦大神 (さたひこのおおかみ)- 中社(北座)
・大宮能売大神(おおみやのめのおおかみ) – 上社(南座)
・田中大神(たなかのおおかみ) – 下社摂社(最北座)
・四大神 (しのおおかみ) – 中社摂社(最南座)

の5人の神様が祀られています。もともとは五穀豊穣の神様として崇敬
されていました。それが、現在に至っては、「商売繁盛」「家内安全」の
ご利益もあるとされ、こちらの方が有名になっています。「稲荷」という
名の通り、「稲」、つまり食べ物に由来していて、まず「稲が生えた」という言葉の発音が「稲生(いなせ)」へと変化し、のちに稲が荷となるくらいの重量(= 豊作)になったと解釈され、最終的には「稲荷(いなり)」と呼ばれるようになったと言われています。

伏見稲荷大社の創建に関しては以下の2節が有名です。

1.711年(和銅4年/奈良時代)2月の「初牛(はつうま)の日」に、
「伊侶巨秦公(いろこのはたのきみ)=秦伊呂具」が帝の勅命により、
稲荷山にある3つの山の頂に稲荷大神をお祀りしたことが起こりとされている

2.弘法大師・空海が自らの寺院である京都・東寺(とうじ)の再建および五重塔造営時に木材が必要になり、稲荷山の木々を伐採することになった。その際、山の神を祀るために祠(ほこら)を築き、この祠が伏見稲荷大社の起源であるこの二説が有名ですが、現在までに伝わる通説では、創建した人物は「秦伊呂具=伊侶巨秦公」とされています。

それでは、伏見稲荷の七不思議を具体的に見ていきましょう。

伏見稲荷の七不思議

其の一 小山のお土
“お山”とは、本殿の背後にそびえる標高230メートルほどの稲荷山の
ことです。稲荷山は稲荷大神が降臨した神奈備山(かんなびやま)、
つまり神様が降臨し鎮まる聖地とされている山です。御祭神の稲荷大神は
五穀豊穣を司る神様であることから、この稲荷山の土を田畑に撒くと
五穀がよく実ると信じられていました。


(出典:伏見稲荷・御朱印)

其の弐 験の杉(しるしのすぎ)
伏見稲荷大社では「杉」が御神木とされており、稲荷山には「傘杉大明神」「一本杉大明神」「三本杉大明神」「大杉大明神」など、杉を祀っている所がたくさんあります。
また、稲荷大神が稲荷山に降臨した711(和銅4)年2月の初午の日を偲んで、その神威を仰ぐ祭り「初午大祭(はつうまたいさい)」が、毎年2月の初午の日に行われます。この祭りは平安の頃より続いている“お稲荷さん”の最大の祭りであり、この祭りの日にだけ、参拝者に授与されるのが
「験(しるし)の杉」です。
昔はこの杉の木を手折って持ち帰り、根付くか根付かないかで吉凶を占う
習慣があったとか。現在では杉の木を守るために杉の枝「験(しるし)
の杉」が授与されるのは毎年2月の初午の日の「初午大祭(はつうま
たいさい)」に定められています。

(出典:京都トリビア x Tribia in Kyoto)

其の三 千本鳥居(せんぼんとりい)
伏見稲荷大社の本殿より稲荷山に登って行くと、朱色の鳥居が無数に立ち並び、その姿に圧倒されます。これが通称「千本鳥居(せんぼんとりい)」と呼ばれる”赤いトンネル“で、鳥居を通ると「願いが通る」の意味となるとのことで、願いごとが叶いますようにと祈りながら通るといいそうです。

小さな頃に通っていた時は、このような説があることは知らなかったので
驚きです。この鮮やかな鳥居は約4Km も続き、その数は千本ではなく一万本を越えているとか。今も鳥居を奉納したい人は多いそうですが、スペースがないので朽ちた鳥居の持ち主が権利を放棄するのを待つしかないそうです。この鳥居は本当に美しく幻想的な雰囲気が漂っています。

(出典:京都トリビア x Tribia in Kyoto)

其の四 おもかる石(おもかるいし)
千本鳥居を抜けところにある(ここまで辿りつくのが大変!)“奥の院”と
呼ばれる奥社奉拝所の右手に、一対の石灯籠があります。その石灯籠の上に乗っている灯籠とは少し色の違う黒っぽい部分が空輪と呼ばれる部分で、「おもかる石」と呼ばれています。

まず、右でも左でもどちらの灯籠でもいいので、灯籠の前で願い事をします.それから、おもかる石を両手で持ち上げます。この時、自分で予想していたよりも軽く感じれば、願い事が叶い、重く感じれば、願いは叶わないと言われています。
おもかる石は見たところ、それほど重そうに思えないのですが、実際に
持ち上げてみると、ズッシリとか思いの外、重みがあるそうです!
試すとなると、わくわくしますね!

(出典:京都トリビア x Tribia in Kyoto)

其の五 新池(しんいけ)
伏見稲荷大社の奥社奉拝所から三ツ辻に至る参道の傍らに“新池(しんいけ)”と呼ばれる小さな池があります。家出人や失踪者などの行方不明者を探している人がこの新池に向かって手を打つと、何らかの手掛かりが見つけられるという一種占いのような言い伝えがあります。

また、稲荷山の左奥を歩いた先にある「熊鷹社」と呼ばれる神社の脇にも
「こだま池」と呼ばれる池がありますが、ここでも「こだま池」で手を打って「こだまが返ってきた方向に尋ね人が見つかる」という、一種の占いのような伝承が残されています。色々な伝承が残されているのはよくある例ですが、家出人の捜索を占うのは珍しいかと思います。

(出典:京都トリビア x Tribia in Kyoto)

其の六 劔石(つるぎいし)
稲荷山の奥深い位置(四つ辻と一ノ峰の中間)に「御劔社(みつるぎしゃ)」という祠があります。その裏手にしめ縄で巻かれた巨石があり、これが「劔石(つるぎいし)」です。石の形状が先が尖っていることから、古来、「劔石(つるぎいし)」と呼ばれています。また、この劔石は、その昔、神々が「荒れ狂う雷」を封じ込めたという伝説があり、別名で「雷石(かみなりいし)」とも呼ばれています。

(出典:京都トリビア x Tribia in Kyoto)

其の七 無数の塚(むすうのつか)
稲荷山の山中には、摂末社とは別に、「お塚(おつか)」と呼ばれる小さな神社が無数にあります。摂末社の敷地や周辺にミニチュアの鳥居がまるで護摩木のように積み上げられ、石碑が並べられています。一種異様な光景に見えるでしょう。
これは稲荷神を個人が私的な守護神として奉納したものだそうです。しかし、なぜ塚を奉納するのか?また数があまりにも多いために七不思議とされています。

(出典:京都トリビア x Tribia in Kyoto)

まとめ 

伏見稲荷大社の七不思議、いかがだったでしょうか?京都には数多くの古い寺社仏閣があり、そのそれぞれ歴史や成り立ちの言い伝えを抱えていると言っても過言ではありません。

私も今回訪れるのは初めてではない伏見稲荷大社の七不思議を調べていく
うちに、新たな魅力を感じました。本当に、伏見稲荷大社の千本鳥居は荘厳で、通り過ぎると不思議な気持ちにさせてくれます。伏見稲荷大社を訪れる際には、ぜひ七不思議も一緒に回ってみるのはいかがでしょうか?