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昨今のパワースポットブームも相まって、神社への参拝がとても流行っています。何気なく神社へ参拝に行く人は多いですが、神社についてのきちんとした知識はあまり浸透していないもの。そこで、今回は神社にまつわる基本的な用語と境内、本殿様式についてご紹介したいと思います。

神社用語編

・鳥居
神域と俗界を分けるための結界。ここから先は神様の領域ですという目印です。鳥居にも様々な種類があります。                          神社にしかない鳥居の意味と種類 神社にしかないもの②

・拝殿(はいでん)
本殿の神様を拝むために建てられたもの。一般的に、ご祈祷はここで行われます。

・本殿(ほんでん)
神様がいらっしゃる社殿。”ご神体” と呼ばれる、神様が宿っているものが安置されています。

・祭神(さいじん・さいしん)
神社にお祀りされている神様のこと。複数の神様がお祀りされている場合、その中でメインにお祀りされている神様は、「主祭神」と呼ばれます。

・ご神体(ごしんたい)
神さまの魂が宿るもの。ご神体は、鏡や剣、石、木など神社によって様々な形態があります。山全体をご神体とする神社もあります(奈良の大神神社など)

・ご神木
境内にあり、神様の魂が宿る木。樹齢500~2000年以上の巨木もあります。神社の敷地内から湧き出る水や井戸からくみ上げたご神水とともに、神様のパワーが感じられるもの。

・磐座(いわくら)
神さまの魂が宿る岩石。祭祀の時に神様をお迎えする際に用いられるほか、磐座そのものが信仰の対象となっている神社もあります。

・狛犬(こまいぬ)
参道の両脇に一対で置かれた獅子や犬に似た想像上の生き物。この想像上の生き物はバラエティに富んでいて、神社によっては狐、うさぎや馬の場合もあります。これらはお祀りされている神様の御遣いとしての役割を担っています。                      狛犬、いつもいるのに気付かない 神社にしかないもの①

・奥の宮(おくのみや)
神様が降臨された場所が山頂や山奥、島などの参拝しづらい場所にある場合は、山裾に本殿や拝殿を造り、そこから遥拝(ようはい)することがあります。この場合、山裾の本殿に対して、山頂や山奥の社殿を奥の宮と呼びます。

・摂社(せっしゃ)・末社(まっしゃ)
大きな神社の場合は、本殿にメインの神様がお祀りされており、小さな社殿にその他の様々な神様がお祀りされています。本殿以外の小規模な社殿を、摂社・末社と呼びます。

「一之宮神社」って、聞いたことがありませんか?

各地域には、その地域の鎮座する神社の代表である最も由緒のある神社があります。それは「一之宮」と呼ばれています。新しい地域に引っ越して、そこで仕事を成功させたい!引っ越しをしたい、ご縁を結びたいというときは、その地域の一之宮神社にお参りに行くと幸運に恵まれます。一之宮神社は見どころが多く、パワーに溢れています。自分の中に何か一つテーマを決めてから参拝すると、神様に背中を押してもらえて大きく成長できます!

例を挙げると、出雲の国の一之宮・出雲大社と言えば “縁結び” がテーマ。恋愛や結婚をはじめ、仕事や趣味のご縁をつなげてくれる神様がお祀りされています。また常陸の国の一之宮・鹿島神宮であれば、 “仕事”がテーマ。仕事運や勝負運に強い男らしい神様がお祀りされています。豊前の国の一之宮・宇佐神宮のテーマは “仕事とプライベートのバランスを取ること”がテーマ。浄化を促してくれる美しい女神さまと仕事運を上げる神様がお祀りされています。

基本的な境内の図


鳥居から本殿に向かって延びる道は参道です。参拝前に手や口を水で清めるところを手水舎といいます。御祭神をお祀りするのが本殿、その前にあるのが拝殿で参拝者はここで手を合わせます。境内にある小さな祠は摂社、末社といいます。
摂社は御祭神と関係が深い神様、末社はそれ以外の神様が祀られています。本殿前にある狛犬は、神様を守護する想像上の動物。正式には向かって右が獅子、左が狛犬です。

実際には、その配置や内容は、神社によって異なりますが、基本的な設置物におきましては、おおよそ上図のようなものとりかいしてもらったらいいでしょう。また、中には、楼門(ろうもん)などの大きな神門や鐘桜(しょうろう)と呼ばれる鐘つき堂を持つ神社などもあります。

本殿の様式、見分け方は屋根がポイント!

[二大建築様式]
平入り:屋根の面に対して、水平の壁に入り口を持つもの→ 神明系(伊勢神宮等)
妻入り:屋根の面からみて、横の壁に入り口を持つもの→ 大社系(出雲大社等)

神明造(しんめいつくり)

古代から伝わる高床式のスタイルで、神社建築で最も多いタイプ。伊勢神宮が代表例。屋根には神社特有の千木、鰹木を乗せている。檜皮葺、茅葺、板葺が殆どで勾配は急。

 

 

流造

神社建築で最も多いタイプ。日光東照宮に代表される様式。側面から見ると、正面に当たる屋根が前に長く伸びているのが分かる。長く伸びた部分を「庇」または向拝」と呼ぶ。

 

権現造

 

日光東照宮に代表される様式。拝殿と本殿の間に「石の間」と呼ばれる建物を設けている。瓦葺の屋根もある。

 

神社の始まり
日本人は古代からあらゆるものに神が宿っていると考え、天変地異、人間の力ではどうにもならないような災害は神の戒めだと思っていました。ですから、自然の中に神を見出し、平穏無事を祈りました。そのあめ、特に大きな山や岩、滝や木などに神の力を感じ、拝んでいた場所に社を建てたのが神社の始まりです。

神社という場所は
神社は神様のパワーが満ちている場所です。一般的には神社にお参りするのは神様に感謝しパワーを頂くため。そのためには自分の望みは何かを神様に伝え、祈願することが大事です。感謝の気持ちを忘れず一生懸命活動している人に神様は力を与えてくれるからです。

神主さんってどういう人?
神社で働く人のこと。神社内の代表者を宮司と呼びます。位階は宮司、禰宜、権禰宜、出仕の順になっています。神職の資格を持ち、神社に奉職する人を神職と呼び、神職を補佐するのが巫女です。神職になるには資格試験に合格するなどが必要ですが、巫女は神職ではありません。

「お祓い」を受ける理由
穢れを落とすためです。「穢れ」は洋服などの汚れではなく、内面的に清らかではないモノを指します。知らず知らずのうちに行ってしまった悪い行いや邪心、気の衰えた状態、死を穢れと捉え、それに触れることもケガレとされてきました。穢れは災難を呼びます。その穢れを浄化してくれるのがお祓いで、これは神社の一番大事な本来のお役目だと言えるでしょう。

まとめ

ここまで簡単に神社の基本的な情報をお伝えしてきました。私も氏神様から始まって、有名な神社も含めてよくお参りさせて戴いているのですが、神社について知らないことが沢山ありました。特に、神社で祀られているご神体のことや、ご神体の種類、奥の宮のこと、摂社や末社などの社殿の種類のことはよく知りませんでした。神社は自然豊かな場所に建てられていることが多いので、ご神木があることは何となく知っていましたが、境内にある石や山そのものがご神体になっていることは知りませんでした。やはり、日本では山岳信仰が多く、日本の神様は山、木、磐などと深い関係があるのだと改めて感じました。

参拝の前に、神社の始まりから成り立ち、建築様式なども知っておけば神社への参拝がより楽しく興味深いことになるのは間違いありません。ほんの少し、好奇心を持って見ることが大切ですね!