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身近にあり過ぎて気付かない植物、苔。

そんな苔が有名なお寺が日本にはいくつか存在します。
例えば京都には西芳寺、祇王寺、三千院、銀閣寺、東福寺、竜安寺など、ざっと数えるだけでも6社ほどあります。

苔寺はとても人気で、一番有名な西芳寺などは事前予約が必要です。でも、京都からちょっと足を伸ばした福井県に、苔が美しいお寺があります。平泉白山神社です。

京都の苔寺はとても人気で混んでいるのですが、この福井の平泉白山神社は予約なしでふらっと立ち寄れるのかいいことろ。中々の穴場スポットです。

これからの夏休み、旅行がてらに苔寺探索はいかがでしょうか?


福井県、平泉寺白山神社の成り立ち

平泉寺白山神社は福井県勝山市に鎮座している神社です。養老元年(717年)、泰澄によって開かれたと言い伝えられています。白山信仰の越前側の禅定道の拠点(越前馬場・ばんば)として、山伏・僧兵が集まるところともなったのです。

最盛期を誇った戦国時代には6000もの僧房が立ち並び、僧侶たちが生活を営んでいた一大都市を成形していました。

平泉寺白山神社はその名の通り今は神社となっていますが、僧房があったことからも昔は寺院でした。その昔は神社とお寺が一緒に信仰される「神仏習合」が一般的でした。なので、お寺と神社の名前が一体化しているのです。


平泉寺白山神社の苔、その規模

平泉寺白山神社は敷地は広大です。境内は白山国立公園特別指定区域内にあり、その広さは15万平方メートル!

旧玄成院(別当・平泉宮司邸)庭園は、1930年(昭和5年)に国の名勝に指定されてます。また、境内は1935年(昭和10年)「白山平泉寺城跡」として国の史跡に指定されています。

中宮平泉寺参道(ちゅうぐうへいぜんじさんどう)は、勝山市道の路線に指定されている約1.2kmの旧参道です。菩提林とよばれる樹齢1000年におよぶスギやブナのほか、サラ、ヤマナシの老木の並木に覆われています。                                   これここが苔に覆われるとこんな感じに?!

まったく違った雰囲気ですね。
敷地が広いため、見どころのスポットは沢山あります。

途中の見どころスポット

平泉寺旧参道(牛岩・馬岩)

約1km続く旧参道。菩提林とよばれる樹齢数百年の杉並木にかこまれ、昔の面影を色濃く残しています。河原石を敷きつめた500年ほど前の石畳道もあります。

鬱蒼と茂る菩提林。

御手洗の池(平泉)
泰澄が平泉寺に訪れたとき、白山の神が現れたところと伝えられています。まさにこの池が平泉寺の名前の発祥の地だと言えるでしょう。

苔に覆われた拝殿

現在の建物は江戸時代の終わりごろに建てられたもの。今はその柱を支えていた礎石が残っています。かつては三十三間拝殿という大きな建物が経っていました。拝殿の周辺は、樹齢数百年の杉林の下に絨毯のように敷きつけられた苔が広がっています。

本殿

本社は寛政7年(1795年)、福井藩主の寄進によって建てられました。本社に向かって右手には別山荘、左手には越南知社があり、白山三山をお祀りしています。

 

(境内図)

見どころスポットもあるのですが、何といっても平泉寺白山神社の目玉はその苔の素晴らしさ!ご紹介していくと…

広大な敷地に苔が本当に 「敷き詰められている!」 印象なんです。

写真はすべて(出典:平泉寺白山神社ホームページ)


まとめ

梅雨時から夏にかけて見られる一面に生える苔は本当に見事で、京都の西芳寺とともに有名です。でも、知名度のせいかそこまで混んでもおらず、関西方面から苔を見たくなったら平泉寺白山神社は本当にお薦めです!

あの司馬遼太郎をして、「京都の苔寺の規模など、この境内に広がる苔の規模と質から見れば…」と言わしめたほどのものなのです。

苔には人を癒す不思議な魅力があります。この神社はまだそこまで観光地化されていないために人もまばらでゆっくりと苔の不思議な魅力に浸ることが出来ます。

また、境内への入場は自由で、社務所になっている旧玄成院の庭園(入園料50円)以外、入場料といったものはないのでほぼ無料でここまでの素晴らしい苔を楽しむことが出来ます。今ならちょうど、紅葉と苔のコンビネーションを楽しめるのでは?

人の少ない、都心から少し離れた空間にある苔寺。皆さんも心癒されたくなったら、ぜひ苔と語らいに、平泉寺白山神社を訪れてみて下さい!

<アクセス>
・駐車場:あり
・交通:えちぜん鉄道勝山永平寺線勝山駅から京福バス、平泉神社域で12分
・北陸自動車道福井北、丸岡ICより、車で50分