Pocket

大阪人なら一度は聞いたことのある神社の名前って何でしょうか?

大阪には素晴らしい神社が沢山あります。でも、特に寺社仏閣への参拝に興味がなければ、”単に名前を聞がある神社やお寺” ということになってしまいますよね。でも、やっぱり “名前を聞いたことのある有名な神社” は、魅力に溢れた神社やお寺であることに違いはありません!
そこで、今回ご紹介したいのは、大阪人なら誰しもが一度は聞いたことのある「住吉大社」です。その名は大阪に住む人にとっては大変馴染みが深く、また多くのご利益があることでも知られています。私も、安産祈願が有名な関西の神社ということで住吉大社をご紹介しましたが、立派な子を産もう!安産祈願で出産を応援してくれる関西の神社5選
調べていくうちに、住吉大社はその他に沢山の魅力があることが分かりました。大阪に住むなら、いえ、旅行者の皆様にもぜひ一度訪れて戴きたい住吉大社の魅力を、今回はご紹介したいと思います。

「すみよっさん、住吉大社」の成り立ち

住吉大社(すみよしたいしゃ)は、大阪府大阪市住吉区住吉にある神社です。摂津国一宮神社であり、二十二社(中七社)の1つ。全国にある2,300の住吉神社の総本社で、本殿4棟は国宝に指定されています。創建の歴史は古く、211年(神功皇后摂政11年)に神功皇后、住吉大神を住吉の地に鎮斎(帝王編年記) が始まりとされています。

ご祭神

住吉大社のご祭神は次の4柱で、4本宮に1柱ずつ祀られています。

第一本宮:底筒男命(そこつつのおのみこと)
第二本宮:中筒男命(なかつつのおのみこと)
第三本宮:表筒男命(うわつつのおのみこと)
第四本宮:神功皇后(じんぐうこうごう) – 名は「息長足姫命(おきながたらしひめのみこと)」。第14代仲哀天皇皇后。

住吉大社のご祭神は、伊弉諾尊が禊祓(みそぎ)を行われた際に海中より出現された底筒男命・中筒男命・表筒男命の三神、そして当社鎮斎の神功皇后を祭神とします。

「日本書紀」や「古事記」の神代の巻での言い伝えによると、伊邪那岐命 (いざなぎのみこと) は、火神の出産で亡くなられた妻・伊邪那美命 (いざなみのみこと) を追い求め、黄泉の国(死者の世界)に行きますが、妻を連れて戻ってくるという望みを達することができず、ケガレを受けてしまいます。そのケガレを清めるために海に入って禊祓いしたとき、住吉大神である底筒男命 (そこつつのおのみこと) 、中筒男命 (なかつつのおのみこと) 、表筒男命 (うわつつのおのみこと) が生まれました。

住吉大社のご利益

冒頭でもご紹介しましたが、住吉大社には沢山の神様がおられ、それぞれの神様が力を発揮してご利益を授けて下さっています。どのような神様がご利益を授けて下さっているのでしょうか?

・航海の守護神
住吉大社で一番有名なのは、航海守護神としての信仰があること。仁徳天皇の住吉津の開港以来、遣隋使・遣唐使に代表される航海の守護神として崇敬を集めてきました。このような海上安全の守護としての信仰は、江戸時代、海上輸送が発達するとともに、運送船業の関係者の間にも広がりました。現在境内にある約600基の石燈籠の多くは、運送船業の関係者から奉納されたものとのこと。
(CC: Yanajinn33)

・禊の神様
住吉大神(祭神の三柱)は伊邪那岐命の禊祓 (みそぎはらえ) の際に海中より出現されたので、神道でもっとも大事な「祓(はらえ)」を司る神となっています。 大阪はもとより摂津国・河内国・和泉国ひいては日本中をお祓いする意義があるほど、古くより「祓の神」として篤い崇敬を受けてきました。

・和歌の神様
古来より住吉大社は白砂青松の風光明媚なところから、万葉集や古今和歌集などの歌集に数多く歌が詠まれていました。 特に平安時代からは、歌道を志して参拝する人々も少なからず、境内にはたくさんの歌碑・句碑が奉納されています。

・農業・産業の神様
住吉大神が草を敷かずに苗代をつくる方法を教えたという伝説にがあることからも、古くから「農耕の神」として篤く信仰されてきました。 古い時代の農耕は当時の産業を代表するものでしたから、住吉大神は「産業の神」とも崇敬されていましたが、現在は農業関係者のみならず、商業・工業関係者からも深く信仰されております。どちらかというと、”商売の神様” の方が知られていますね!

・弓の神様
弓の神様は、神功皇后の新羅遠征(三韓遠征)神話に由来します。神功皇后は住吉大神のお力をいただき、御自らも弓鉾をとり、大いに国威を発揚せられたとの記録が残っています。また、神功皇后は住吉大神の鎮斎に際し、その警護のために土師弓部(はじのゆみべ)十六人を当社におかれたとのこと。その故事にちなんで、邪気退散・天下泰平を祈願し、御結鎮神事(お弓始め)が新春に行われます。

住吉大社の建築様式

住吉大社の社殿は、「住吉造」という独特の建築様式で建てられています。「住吉造」と称される本殿は、神社建築史上最古の様式の一つで、四本宮すべての本殿が国宝に指定されています。住吉造の代表的な特徴は、屋根は桧皮葺(ひわだぶき、ヒノキの皮を敷き詰めて屋根をふいたもの)、妻入式切妻造(つまいりしききりつまづくり)で、破風や垂木には反りがなく、直線的な外観となっています。室内は外陣(げじん)と内陣(ないじん)の二間に分かれ、柱は丹塗(にぬり)、壁は胡粉塗(ごふんぬり、カキなどの貝殻を磨り潰した塗料)になっています。

鳥居も特徴があります。住吉大社の大鳥居は、鳥居の “貫 (ぬき)” という部分が柱の長さからははみ出ないこと、また柱が角型になっていることが特徴的です。


すみよっさんのお参りの仕方

すみよっさんとこ住吉大社には様々な神様がおわし、沢山のご利益を私たちに授けて下さいますが、実はご利益によってお参りの仕方が変わるのです!

こちらは境内図ですが、ホームページには5種類の回り方が紹介されています。
・正式参拝コース(所要時間20分)
・商売繁盛・家内安全コース(所要時間40分)
・心願成就コース(所要時間 40分)
・縁結び・夫婦円満コース(所要時間40分)
・安産祈願コース(所要時間30分)

通常コースですと、1、反り橋を渡り、2.手水舎で手水を取ってから、3、第一の宮~四の宮を回る、というものですが、心願成就コースですと、1. 五所御前で五・大・力と書かれた石を拾う、2.おもかる石で願いの可否を願う、3.五大力石のお守り袋を授かる(御守授与所 初穂料300円)、というもの。色々試してみたいですね! 住吉大社の歩き方

とっても有名、初辰参り

住吉大社と言えば、商売発達・家内安全が有名です!初辰とは、毎月最初の辰の日のこと。 この日に参拝すれば、より一層力を与えて守り助けてもらえると信仰されています。そして4年を一区切りとして、48回参拝すれば、満願成就となります。 これは、四十八辰、つまり始終発達するという意味からきたとのことで、、4年間月参りを続けられるというのは、それだけ無事発達していることの証とされています。

商売発達のために遠方から訪れる人も多く、早朝から大勢の参拝客でたいへんにぎわいます。お参り方法は、 種貸社、楠珺社、浅澤社、大歳社の四社をそれぞれにお参りするのが慣わしとなっています。

まとめ

さて、今回は大阪人にとっては心の故郷とも言える住吉大社をご紹介してきました。住吉大社のご利益は沢山あり、また、人生の節目節目における人生儀礼もこの神社で行うことが出来るとても貴重な神社だと思います。また、お参り方法がお願いごとに分かれているのもとてもユニークだと思います。ホームページも見やすく、沢山の方に訪れて戴きたいとの神社の気持ちが感じられます。
私も来年、2019年の初詣にはぜひ住吉大社を訪れてみたいと思います!日本全国の皆さん、ぜひ、大阪随一の住吉大社に参拝に行かれて下さいね!

(写真はすべて、住吉大社ホームページ