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比叡山と聞いて、皆さんは何が最初に思い浮かぶでしょうか?

簡単には足を踏み入れられない霊験あらたかな霊山?それとも修験道の厳しい、

謎に包まれた山?

どれも本当ですが、日本への海外旅行の比叡山は外国人観光客も多く、

有名な延暦寺もあり見どころ満載のパワースポットになっています。

特に延暦寺は歴史的なエピソードも多く、訪れる人を魅了し続けています。

今回は、この比叡山エリアに焦点を当ててご紹介したいと思います。


1.比叡山とはどんなエリア?

比叡山は滋賀県大津市西部と京都府京都市北東部にまたがる山のことで、

大津市と京都市左京区の県境に位置する大比叡(848.3m)と左京区に位置する

四明岳(しめいがたけ、838m)の二峰から成る双耳峰の総称です。神道では

木や川、石などが御神体となっていますが、比叡山は古くからある山岳信仰の

対象の山とされ、高野山と並んで有名です。このエリアには延暦寺や日吉大社

があり、かつて大変繁栄しました。また、奈良から京都へ都を移し

平安京が遷都された際には、京の都の方角から見て北東の鬼門に位置する

比叡山に延暦寺を建て、都を守ろうとしたと言われています。

2.延暦寺について 歴史的背景

延暦寺は延暦7年(788年)に伝教大師・最澄が開山したことに始まる、天台宗

の総本山です。1994年には古都京都の文化財の一つとして、世界遺産に登録

されました。海外の観光客が多く訪れるのも、そのためかもしれません。また、

現在でも”千日回峰行“という日本の霊山で行われる仏教・修験の巡拝行でも

有名です( 大峯山で行われる金峯山修験本宗金峯山寺の回峰行は比叡山のものを

手本にして始められました)。

延暦寺は歴史的に常に大きな力を持った寺院でした。最澄の開創以来、

高野山金剛峯寺とならんで平安仏教の中心となり、天台法華の教えのほかにも、

密教、禅(止観)、念仏も布教され、仏教の総合大学となっていました。平安時

代にはすでに皇室や貴族の尊崇を得て大きな力を持っていたのです。特に密教に

よる加持祈祷は平安貴族の支持を集め、真言宗の東寺の密教(東密)に対して延

暦寺の密教は「台密」と呼ばれ信仰を集めました。

延暦寺は寺院そのものが権力を持っていました。延暦寺は僧兵を多く抱え、

物資の流通を握ることで財力も持っており、時の権力者も無視できるような

「独立国状態」を保っていたのです。延暦寺を最初に制圧しようとした

権力者は室町幕府六代将軍の足利義教です。義教は将軍就任前は義円と名乗り、

天台座主として比叡山側の長でしたが、還俗して将軍就任後は比叡山と

対立しました。その後、戦国時代に入っても延暦寺は独立国状態を保っていまし

たが、朝倉義景・浅井長政らと対立した織田信長に対し、反抗して朝倉・

浅井連合軍を匿うなど反信長の行動を起こしました。信長は武装解除の

通告を再三行いましたが、延暦寺がこれを無視したため、元亀2年(1571年)9月

12日、延暦寺を取り囲み、焼き討ちを行ったのです。これが有名な延暦寺の焼き

討ち事件です。

しかし、信長に焼き討ちされたときだけに限らず、時の権力者に逆らうものの

常として、何度も焼き討ちにあってきました。宗教も政治に対抗する一派として

勢力を持っていたことの典型的な例ですね。

3.延暦寺 見どころ

延暦寺の敷地は比叡山の山一帯に広がっていて、いくつかのエリアから

構成されています(広い境内には150もの堂塔伽藍が並び、圧巻です)。

「延暦寺」とは単独の堂宇の名称ではなく、比叡山の山上から東麓にかけて

位置する東塔(とうどう)、西塔(さいとう)、横川(よかわ)などの区域

(これらを総称して「三塔十六谷」と称する)に所在する150ほどの堂塔の

総称である。[1] 日本仏教の礎(佼成出版社)によれば、比叡山の寺社は

最盛期は三千を越える寺社で構成されていたと記されている(Wikipedia)”

では、この延暦寺を構成するエリアを見ていきましょう

東塔(とうどう)
延暦寺発祥の地とされているメインエリアです。1200年間灯り続ける不滅の

法灯を持つ根本中堂や、文殊楼、大講堂など主要な建築物が集まって

います。時間に余裕がなければ東塔のみの拝観もお薦めです。

比叡山の雰囲気を十分に味わうことができます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大講堂(だいこうどう)
大講堂は同じく東塔の中にあり、いまでも経典の講義が行われている

学問修行の道場です。ここで多くの仏教各宗派の祖師が学びました。

その顔触れや、いわゆる仏教界のスーパ―スターたちです。壁には

比叡山ゆかりの人物の肖像画も掲げられています。

 

西塔(さいとう)
寂光大師・円澄が開いた、東塔の北1kmに位置するエリア。本堂には

最澄作と伝わる本尊・釈迦如来像が安置されており、釈迦堂となって

います。正式名称は「転送輪堂」。ここには一般人に開放した

修験道場・居土林があります。この釈迦堂は信長によって焼き討ちされまし

たが、のちに秀吉によって再建され、延暦寺の中で最も古い建物と

なっています。

 

横川中堂(よかわちゅうどう)
横川中堂を本堂とする、慈覚大師・円仁が開いた地。現在のおみくじを

生み出したという、元三大師・良源の住居跡と言われる元三大師堂があり、

「源氏物語」「宇治拾遺物語」などの舞台ともなりました。横川中堂の

屋根の形は特徴的で、遣唐使船の形に模して造られたと言われています。

 




4.アクセス

比叡山はアクセスの便があまりよくない場所にあります。延暦寺への行き方は、

① 滋賀から坂本ケーブルで行くルート:大津市坂本にある
“ケーブル坂本駅”から終点の“ケーブル延暦寺”まで、全長2,025mを約11分で結ぶ
ケーブルカーで行くルート

② 京都側から、叡山電鉄本線の終点“八瀬比叡山口駅”で下車。駅から高野川の吊り橋を渡り、徒歩数分で「叡山ケーブル」の“ケーブル八瀬駅”へ行き、そこから終点の「ケーブル比叡」へ。その後は叡山ロープウェイで一気に“比叡山山頂駅”へ。比叡山頂からは、徒歩約5~10分にある“比叡山頂バス停”から比叡山内シャトルバスに乗り換えて、延暦寺へ。

③ 車で比叡山延暦寺に向かうなら、「比叡山ドライブウェイ/奥比叡ドライブウェイ」で。 比叡山は山内の移動が長いので、車での移動が一番便利です。

延暦寺の見どころは広範囲に渡るため、車で行くのでなければシャトルバスの利

用がお薦めです。その他、ケーブルやロープウェイ、シャトルバスなどを組み合

わせたお得なチケットも多数販売されています。

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