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IT-STUDIO / Pixabay

皆さん、こんにちは!Riruruです。
今年は関西では少し長く楽しめた桜も散り、だんだんと夏へ近づいて参りました。今回は5月の連休も10日連休でしたし、今回はこれから夏に向かってお出掛けにぴったりの場所をご紹介したいと思います。

それは・・・「熊野古道」です!
熊野古道はもともとは熊野三山へとお参りするための巡礼道でしたが、その流れは現代でも変わっていません。今回は、特に初心者の方のための熊野ルートをご紹介したいと思います。

熊野古道、と聞くと皆さんは何を思い浮かべるでしょうか?関西地方に住んでおられない方には聞きなれない名称かもしれませんが、熊野古道(くまのこどう)は、熊野三山 (熊野本宮大社熊野速玉大社熊野那智大社へと通じる参詣道の総称のことです。熊野参詣道ともよばれており、紀伊半島に位置し、その道は三重県、奈良県、和歌山県、大阪府にまたがっています。熊野古道が有名になったのは、特に2004年に世界文化遺産に登録されたことが大きいかもしれません。

熊野三山へと通じる熊野古道には、いくつかの路があります。
まずは地図で確認してみましょう!

出典:わかやま観光情報

熊野古道には6つのルートがあります。
・紀伊路(渡辺津 – 田辺)
・小辺路(高野山 – 熊野三山、約70km)
・中辺路(田辺 – 熊野三山)
・大辺路(田辺 – 串本 – 熊野三山、約120km)
・伊勢路(伊勢神宮 – 熊野三山、約160km)
・大峯奥駈道 (吉野 – 熊野三山)

巡礼道と聞くと、どれもとても長くてしんどそうなイメージがあるのですが、熊野古道には初心者向けの軽いものから、連泊を伴って完歩するガチな上級者向けのものまで多種多様なルートがあります。なので、予めルートをきちんと調べていけば、カスタマイズして自分に合った道を歩くことは十分可能です。
実は、私も熊野古道は歩いたことがありません。なので、今回は「私ならここを歩くな!」という視点で歩けるお薦めのルートをご紹介したいと思います。

初めての熊野古道、歩くならこのルート!

上の地図を見て頂くと分かりますが、熊野古道は熊野三山(熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社)への参詣ルートとなっています。熊野古道は三重県、奈良県、和歌山県にまたがっており、三重にある伊勢神宮から歩くルートもあります(160km)。でも、中でも一番人気なのは、中辺路(なかへち)と呼ばれる三山へと通じるルート。でも、最終目的地をどの大社にするかにもよりますが、中辺路をすべて歩くには距離があります。仮に中辺路をすべて歩くとすると、JR紀伊田辺駅→ 中辺路出発点の滝尻王子から熊野本宮大社へは二泊三日ほどの連泊が必要になります(全行程、38km)。

初心者向けのコースは中辺路をすべて歩くのではなく、大社へと続く途中経路からのコースがお薦めです。

① 発心門王子~熊野本宮大社コース
まずは、熊野三山の中でも一番人気を誇る熊野本宮大社へのルートをご紹介します(熊野三山の場所は上記の地図で確認して下さいね!)。

出典:田辺市 熊野ツーリズムビューロー

出典:わかやま観光情報

上の地図は熊野本宮大社までの中辺路を示したものですが、ご紹介するコースの出発点である ”発心門王子”はかなり本宮大社に近いところになっていることが分かりますよね?下の地図は、発心門王子から本宮大社への各スポット間の距離を示したものです。

熊野古道のそれぞれのスポットには「王子」という名称がついてて、九十九王子(くじゅうくおうじ)と呼ばれています。熊野古道沿いにある神社で、12~13世紀にかけて皇族・貴人の熊野詣に際して先達をつとめた熊野修験たちによって整えられた一群の神社です。

発心門王子からが神域とされている場所で、熊野本宮大社へはここから6.9キロほど、約3.5時間のゆるやかな下り坂が続く人気のコースです。発心門王子へのアクセスは、龍神バスか明光バスでアクセスが可能です。

発心門王子付近に駐車場はないので、一旦熊野本宮大社まで出て駐車し、バスで本宮大社から発心門王子まで戻って歩く方法もあります。料金は¥2,290。本宮大社から発心門王子へと戻って歩く場合、本宮大社 ⇒ 発心門王子へのバス運賃は¥460です。                              龍神バス  ⇒ (時刻表・路線図)

②発心門王子コースの見どころ                      ・まずは出発点の発心門王子。発心門王子バス停の50m奥にあります。

(CC: KMR)

・三番目のスポットである”伏拝王子(ふしがみおうじ) “ は人々が熊野古道を歩きてきて初めて遠くに熊野本宮大社(現在の大斎原(おおゆのはら)が見え、その有難さに伏して拝んだことからこの地名が生まれたとか。伏拝王子社跡には石祠と和泉式部供養塔が建てられています。                    この王子の見どころは”道休禅門地蔵”。有名な被写体で、バックに古道や杉林が入るように撮るのがお薦めです。また、遠くに熊野川が見えるこの辺りの茶畑は、平成13~14年に放送されたNHKの朝ドラ「ほんまもん」のロケ地にもなりました。

   (CC: rurinoshima)

・伏拝王子から歩いて一時間ほどで、熊野本宮大社へ到着です。
熊野本宮大社の鳥居の前には階段がありますが、それほどきつい階段ではありません。大社前は荘厳な雰囲気。

大社前には有名な八咫烏の旗が!社殿の中にも置物がありました。この八咫烏が日本サッカー協会のトレードマークであることは有名です!もちろん、授与品の中にはサッカーお守りもありますよ。サッカー好きのちびっ子にはぜひ、買ってあげて下さいね~

そして、大社から少し歩いたところにある大斎原(おおゆのはら)。実はここが一番のパワースポットと呼ばれているところ!熊野本宮大社へお参りされた際は、ぜひこちらもお参りくださいね!⇒ 熊野本宮大社


③大門坂~熊野那智大社・那智の滝コース

出典:わかやま観光情報

まずは、始発点は大門坂(だいもんざか)です。石畳が美しい「大門坂」を上り、熊野那智大社、那智の滝へのコース。大門坂入口から熊野那智大社への石段は距離も短く、苔むした石段と杉木立は熊野古道の雰囲気も満点。勝浦温泉街から近く、バスのアクセスも良く歩きやすいコースになっています。【距離:約2.7km 標準歩行時間:約1時間】

・大門坂(だいもんざか)
大門坂には駐車場がありますので、車でここまで来て熊野那智大社、那智の滝へと出発です。自動販売機もあるので、暑い時期はしっかりと飲み物補給を。

( CC: Nekosuki)                                           (CC: 663highland)

大門坂の石畳は熊野古道の雰囲気満点!途中、大門坂茶屋があり、ここでは永安衣装のレンタルをすることができます。お子様や女性に人気。詳細はこちら       ⇒ わかやま観光情報 熊野古道平安衣装体験

・夫婦杉                                言わずと知れた夫婦杉。夫婦杉は神社などでよく見かけますが、熊野那智大社にも存在します。大門阪を少し過ぎた辺りにあります。推定樹齢800年。   (CC: 663highland)

・多富気王子(たふけおうじ)
多富気王子は九十九王子の最後の王子。大門坂登り口に近い、夫婦杉からすぐ上部のところにあります。

(CC: 663highland)

・熊野那智大社と青岸渡寺                         熊野那智大社は何と言っても那智滝とセット。主祭神は熊野夫須美大神(くまのふすのおおかみ、イザナミノミコト)。すぐそばにある飛龍神社は那智滝が御祭神のため、本神はありません。                      熊野那智大社・飛龍神社

(CC: Unknown)

(CC: Kansai Explorer)                                                    那智大社のすぐお隣にあるのが青岸渡寺。

(CC: Miya.m)                                (左:三重塔、下:尊勝院)と那智滝。とても綺麗な眺めですね。

・那智滝                                言わずと知れた那智滝。石英班岩からなる、ほとんど垂直の断崖に沿って落下します。落ち口の幅は13、滝壺までの落差は133メートルに達します。総合落差では日本12位となっていますが、一段の滝としては落差日本1位で、華厳滝とともに、共に日本三名瀑に数えられています。  

(CC: Nekosuki)

まとめ

さて、今回は和歌山県の二大パワースポットへと続く、熊野古道をご紹介してきました。もし、ガッツリ歩きたいのなら特に人気の中辺路コースを全行程制覇!をお薦めしますが、熊野古道が初めてで、どんなコースがあるかも分からない、また、ちょっと雰囲気を味わいたいだけというビギナーの方には、ご紹介した2コースはぴったりかと思います。特にゆっくりマイペースで歩きたいお年寄りや、お子様連れの方にでも十分に歩けるコースだと思います。でも、熊野本宮大社や熊野那智大社へのお参りも出来るので、巡礼地を歩く雰囲気はしっかり味わえます。

熊野古道を歩くのにお薦めの季節はちょうど今、4~5月にかけてと、10~11月の秋頃です。6月の梅雨の時期も、霧に煙ったまた違った雰囲気が味わえます。7~8月は熱中症に注意ですね!
ではでは、ぜひ、今年は初めての「熊野古道」にチャレンジしてみて下さい!神社を参拝することは自分を見つめ直す行為でもあります。熊野古道も歩いてみて、ぜひ、熊野三山の厳かな雰囲気に擦れてみて下さいね。