”大仏様”と聞くと、皆さんはどこを最初に思い浮かべるでしょうか?
私が住む関西には実は日本一の大仏様がおられます。奈良の東大寺の大仏様です。
関東圏の方でも修学旅行などで東大寺を訪れたことがある人は多いのでは?
奈良の寺社仏閣はまた、京都とは違った趣の素敵さがあります。奈良の寺社仏閣の
特徴の一つとして、交通アクセスがよいこと、特に近鉄奈良駅周辺には、
有名で見どころのある沢山の寺社仏閣が建っています。その中でも今回は大仏様で
有名な東大寺を効率よく回る方法ご紹介したいと思います。大人になって大仏様に
会いに行くと、学生の時とはまた違った発見があるかもしれません!
東大寺の成り立ち
東大寺の一番の有名どころはもちろんあの大きな廬舎那仏ですが、実は他にも
沢山の見どころがあります。もともと、東大寺は全国に仏教を広めるために
建てられた官製の寺でした。奈良時代、聖武天皇と光明皇后の子どもである基親王
(もといしんのう)の菩提を弔うために建立された金鍾山寺(きんしょうさんじ)
が起源といわれています。この時、金鍾山寺は国分寺に定められ、名も金光明寺
(こんこうみょうじ)に改められました。東大寺という名前になったのは、
大仏建立が始まった747年のことです。和銅3年(710)の平城遷都後まもなく、
日照りや地震、台風などの自然災害が頻発しました(現代も同じですね)。
九州で発生した天然痘はついに都にまで広がり、社会は混乱していました。
そうした事態を落ち着かせるため、神亀元年(724)に即位した聖武天皇は人心を
鎮めるために大仏建立の詔を発しました。聖武天皇は官と権力で大仏を造るのでは
なく、大仏建立を国民参加の事業とし、人心をまとめようと考えました。寄付を
集める大勧進職には、民衆に熱狂的な人気の僧、行基が抜擢されました。
一日ゆっくり東大寺を回るモデルコース
東大寺と言えば、有名なのが大仏様!あの高さ15mもある仏像は、下から見上げる
と迫力満点!です。
東大寺の境内は約9万坪という広さを有していて、自然公園のように広く
開放的なイメージ。この東大寺を効率よく回る拝観のモデルコースがあります。
☆ 南大門(20分)→ 徒歩5分 → 大仏殿(60分)→ 徒歩5分 →
鐘楼(15分) → 徒歩4分 → 法華堂(40分)→ 徒歩1分 →
二月堂(30分 + 休憩15分)→ 戒壇堂(30分)
合計 4時間
*()内は参拝時間。これはあくまで休憩を1回だけ取った最短コースなので、
体力に自信のない人はもう少し余裕を見ての移動を考えるといいいいかもしれません。
南大門
まずは、東大寺の玄関の南大門です。創建時の門は、平家の南都焼き討ちで焼失、
現在の門は鎌倉時代、建仁3年(1204)に再建されました。門の中に立ったらぜひ
上を見上げてみましょう。太い柱が屋根まで一直線に伸びていて、水平に組まれた
横木は柱を貫通し耐震性を大いに高めています(「大仏様」構造)。
門の左右には金剛力士像!鎌倉彫刻の頂点を極めた傑作と言われています。通常は
2体とも南を向いているのが普通ですが、東大寺では向き合って配置されて
います。口を開けているのが阿形(あぎょう)、口を閉じているのが吽形
(うんぎょう)です。この2体は昭和63年~平成5年に解体工事が行われ、鎌倉時代
の仏師(ぶっし)、運慶、快慶ら4人によって制作されたことが確認されました。
わずか2ヶ月で制作されたそうです。檜材を組み合わせた寄木造で、部品は2000に
も及び、部材をつなぐ鉄釘は1000本以上、重さは実に一体で6トンにも及びます。
<ahref=”http://www.todaiji.or.jp/contents/guidance/guidance8.html”>http://www.todaiji.or.jp/contents/guidance/guidance8.html
(東大寺ホームページ)門では一対の金剛力士たちがお出迎えしてくれます。
大仏殿
大仏殿は東大寺の本尊、盧舎那仏(大仏)を安置する金堂です。現存の木像建築
では世界最大規模。間口57m、奥行き50m、高さ40mで、南大門と同様、
大仏様構造が採用されています。大仏は巨大な顔を南に向けて鎮座されており、
今は黒ずんでいますが、かつては金色に輝き、堂内を照らしていたのでしょう。
<ahref=”https://www.360navi.com/29nara/01narapark/02toudaiji/photo06.jpg”>https://www.360navi.com/29nara/01narapark/02toudaiji/photo06.jpg
鐘楼(しょうろう)
大仏殿から東へ向かい、坂道を登りきると平坦な一角に出ます。俊乗堂、
行基堂などが並ぶ中、ひときわ目立つのが鐘楼です。屋根が鶴の羽のように
空に向かって大きく反っているのが特徴。
梵鐘(ぼんしょう)は奈良時代の構造で国宝。口径は2.7m、重さは約26トンです。
平等院(京都府宇治市)、三井寺(滋賀県大津市)と並ぶ日本三名鐘とされて
います。大晦日は一般参拝客もこの鐘と突くことができます。22時ごろから
先着順に整理券が配布され、一度に8人でつき、108回で終了します。
https://coolnara.net/jp/todaiji-syoro/
法華堂(三月堂)
東大寺の法華堂は東大寺最古の建物で、天平18~20年(746~748)ごろに建て
られ多と言われています。本尊は不空覇索菩薩。東大寺の他の仏像は大きな
盧舎那仏でかすみがちですが、この法華堂の中だけでも3種類の仏像(菩薩、
明王、天)が揃います。勧進所には習合神の僧形八幡もあり、残る盧舎那仏は
大日如来。つまり、東大寺を一日拝観するだけで、5種類すべての仏像を見ること
ができるのです。
https://ameblo.jp/tap-kun16/entry-12263493242.html
<ahref=”https://twitter.com/j_butsuzo/status/873178483634995201″>https://twitter.com/j_butsuzo/status/873178483634995201
http://ocn1.net/yamamtso/newpage39.htm
二月堂
二月堂は、お水取りの行事が二月に行われることからこの名がついいています。
お水取りの行事は正式名称は「修二会(しゅうにえ)」と呼びます。新しい年を
迎え、若水を観音様に捧げ、前年までの罪を悔い、国の安泰を祈る行事です。
その中で若水を汲む行事を“お水取り”と言いますが、いつのまにか修二会全体を
指す呼称として定着しました。
二月堂は南都焼討や東大寺大仏殿の戦いでも焼失しなかった貴重な建物でしたが、
江戸時代初期にお水取り中の失火によって焼失してしまいました。現在の建物は
焼失から2年後に建てなおされたもので、国宝に指定されています。
中に安置されている本尊は大観音・小観音という2体の十一面観音像ですが、
誰も見ることができない絶対秘仏です。
* お水取り行事中、二月堂舞台には松明が飾られ火の粉が舞う。
<ahref=”https://mainichi.jp/articles/20180302/k00/00m/040/076000c”>https://mainichi.jp/articles/20180302/k00/00m/040/076000c
戒壇堂
二月堂の北側の階段を下り、土塀に囲まれた道を西へ向かうと大仏殿の裏を
通って戒壇堂へ出ます(徒歩15分)。戒壇堂は、聖武天皇と光明皇后が
唐(中国)から来日した鑑真(がんじん)から戒を授かったことを記念して
建立された戒壇院の一部です。現在では天平彫刻の白眉とされる四天王像
が安置されているとして人気を呼んでいます。(写真の四天王像は左から順に
西方を司る広目天、南方を司る増長天、東方を司る持国天、北方を司る多聞天。
四天一様に踏んづけているのは邪鬼で顔は大人だが体は子供のようになっている)
<ahref=”http://www.todaiji.or.jp/contents/guidance/guidance7.html”>http://www.todaiji.or.jp/contents/guidance/guidance7.html
<ahref=”https://hirotravel.com/kansai/toudaiji/page_thumb2.html”>https://hirotravel.com/kansai/toudaiji/page_thumb2.html
まとめ
今回は奈良の古刹の中でも超有名なお寺の一つ、東大寺拝観のモデルコースを
ご紹介しました。東大寺は半ば自然公園みたいになっているので(東大寺
というよりも、奈良公園の周りの寺社はそんな感じのところが多いのですが)、
ご紹介した道順で辿れば効率よくすべての建物が拝観できますよ。公園の中には
鹿も沢山いるので触れ合えることもできるし、また以外に多いのがスケッチを
されている方達です。小学生は勿論ですが、大人のスケッチもちょっした癒しに
なっていいのでは?のんびりと散歩もしながら一日かけてゆっくりと東大寺
コースはとってもお薦めです!
東大寺 アクセス:
近鉄奈良駅より大仏殿春日大社前までバスで10分。タクシー5分。JR奈良駅
からはバスで15分、タクシー10分ほど。
東大寺ホームページ
http://www.todaiji.or.jp/