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初詣、節分に夏越しの大赦、夏祭り、七五三に年越しの大赦。

それぞれの行事の中で日本人は当たり前のように神社やお寺に参拝します。そのくらい日々の生活の中に溶け込んでいる神社とお寺ですが、改めてその違いを意識したことはあるでしょうか?

案外、神社とお寺の明確な違いについて明るい少ないかもしれませんが、お寺と神社は成り立ちや由来からしてまったく異なる存在なのです!

お寺と神社の見た目の違いとして、「お墓や仏像のある所がお寺で、鳥居のあるのが神社」という考え方が一般的ですが、もう少し詳しくその違いを説明すると、「仏尊像を安置し、仏教を説く僧が住むところ」がお寺で、「神道の教えのもと日本の神様の御魂を祀り、祭祀を行うところが神社」となります。

宗教的にも見た目にも違う神社とお寺ですが、ここでは、お寺と神社の基本的な違いをご説明したいと思います。

寺院編の詳しい説明はこちら ⇒ 寺と神社、いろんな違いがありました!寺院編を紹介します~

お寺の由来と成り立ち

・仏教は外国からやってきたもの
日本の伝統行事にはかかせないお寺と神社ですが、その宗教的バックグラウンドはまったく異なります。まず、仏教(お寺)は日本発祥のものではなく外国からやってきたものなのです。

もともと仏教はインドの釈迦によって紀元前5世紀ごろに始められた宗教であり、このころには私たちが考えているお寺は存在していませんでした。

日本では、仏教は6世紀ごろに権力者の信仰として受け入れられたことで、立派な建物や仏像が建てられるようになりました。塔は高さを持つものとなり、僧の住む建物(宿坊)も立派に作られました。仏教は聖徳太子(574~622)によってその基礎が据えられ、仏教の開祖の釈迦がしだいに神格化されてくると、その遺骨を納めた仏塔が建つようになりました。

聖徳太子は仏教思想を非常に深く受容し、これを治世にも活かしたといわれており、法隆寺や四天王寺などを建立しています。

・お寺ではご本尊を拝むことができる
お寺には、僧侶・尼・住職などがいて、御本尊として仏様が安置されています。大日如来、薬師如来、釈迦如来、聖観世音菩薩、文殊菩薩、地蔵菩薩、不動明王などの像が仏様です。

また、神社では参拝時に御神体を拝み見ることが出来ませんが、寺院では御本尊を拝み見てお祈りを捧げることが出来ます。御本尊は、金堂に安置されており、お祈りを捧げる礼堂と同じ建物内に一体化して存在している為、神社よりもお寺の方が、御本尊(お寺の場合は仏様)をより近く感じることができます。

・お寺の呼称と区別
お寺は、院・庵・坊・大師・寺院などの数々の呼び名がありますが、どれも意味は同じです。現在のお葬式のやり方に基づいた故人を仏葬し、位牌を祀り、仏壇に礼拝し、初七日、四十九日、一年忌、三年忌などを行う法要もお寺独特の儀式です。

外国を起源とする仏教の考え方ですが、日本に伝わり日本独特の宗教=日本独特の仏教へと存在が変わっていきました。

神社 由来と成り立ち

・神道は日本古来のもの
お寺と違い、神道は日本古来の宗教です。神社はその神道の振興に基づく祭祀施設ですが、元々は神の住む場所とされる禁足地(入ってはいけない場所)に臨時で建てられた祭壇が起源と言われており、常設された建物ではありませんでした。

・神社で祀られているものは?
神道の祭祀対象は神道の神であり、「八百万(やおよろず)」と言われるように非常に多岐に渡っています。神聖とされた山岳や河川・湖沼などから、日本古来の神に属さない民俗神、実在の人物・伝説上の人物や、陰陽道・道教の神、神仏分離を免れた一部の仏教の仏神などの外来の神も含まれます。

また、神道では稲荷や猿、鶏など動物を祭神とする神社もよく知られています。

それ以外にも、古くは神聖な山、滝、岩、森、巨木などに信仰対象=神が宿るとして敬い、社殿がなくとも「神社」になったケースもあります(奈良の大神神社がいい例で、ここは本殿はなく、三輪山が御神体となっています)。神道の神は目に見えないものであり、神の形は作られませんでした。

・神社の呼称と区別
伊勢神宮や明治神宮といった「神宮」の称号のついた建物は数ある神社の中でも特別格式の高い神社です。大社、神宮、神社はいずれも神道に属しており、これら以外の呼称を付けられた神社の大半は祀られている神様の名前を元にして名づけられました。地名に基づいた呼称も多くあります。

特に大規模な神社は神宮や大社と呼ばれます。神宮・大社と呼ばれる場合は、天皇や皇室祖先神を祀っているのが普通です。神社の入口には必ず鳥居がありますが、なぜ鳥居が神社だけに建てられているかをご説明しょう。

神社には、神が降りてくる神域があり、神域に降りた神様と人が住む世界とを区別し、お互いの存在を分かち合いながら住み分ける為に鳥居を建てたのが始まりと言われています。

天皇または皇室祖先神は神式で儀式を行いますので、他界したら神葬祭を行い、位牌ではなく霊璽を祀り、仏壇ではなく御霊舎に礼拝します。

仏教が四十九日、一年忌で故人を法要する変わりに、神道は10日祭、50日祭、一年祭、十年祭など年祭の神式で故人を祀ります。外国を起源とするお寺と違い、神社の起源は日本ですし、仏教より歴史が長く日本だけの宗教とされている点も大きな違いの一つです。

まとめ

寺院と神社はあまりにも日本人の日常生活に溶け込んで存在しているため、その違いを明確にご存じない方も多くいらっしゃると思います。

しかしながら、調べていくとこの二つの宗教は起源から浸透の仕方までまったく異なっていることが分かりました。お葬式などの日常儀式には仏教が深く関わっていますが、一般参拝で神社を訪れる人も大変多くなっています。

次回寺院や神社に行かれる時に、その成り立ちの知識を持って参拝すると、より理解が深まるのではないでしょうか?