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近年、パワースポットとしての神社仏閣参拝が大ブームです。コロナ落ち着いてきて、神社もお寺も多くの人出が戻ってきていますが、その中でも五重塔は人気スポットです。

お寺の境内にそびえたつ五重塔は目立つこともあり、大変圧巻で美しいものです。特に、関西有数の観光地である京都には五重塔を持つ寺院が4つあり、どこも有名で一見の価値があります。

実は、京都には五重塔が4つもあり、ルートを設定すれば効率よく一日で回ることもできるのです!そこで今回は、京都にある4つの寺院の五重塔の魅力と、その周辺の観光施設をご紹介したいと思います。

そもそも五重塔って何?どんな意味があるの?

そもそも五重塔とは、簡単にいうと五層の仏塔のこと。五重の屋根がある層塔とよばれるもので、卒塔婆(供養のために用いる細長い板)と同様に、この五層は地、水、火、風、空の五大要素を表しているのです。

東寺
京都で五重塔と言えば、真っ先に思い浮かぶのが東寺の五重塔。京都駅近く、いわゆる京都の玄関口に位置するお寺です。正式名称は教王護国寺。成り立ちは、弘仁14年(823年)、真言宗の宗祖である空海(弘法大師)が、嵯峨天皇から東寺を給預し、真言密教の根本道場となった、というもの。

東寺の五重の塔は826年に空海によって建築が始まりますが、できたのは9世紀末のことです。その後数度にわたり焼失し、現在のものは1644年に徳川家光の寄進によって建てられました。高さは54.8メートルあり、近世以前の塔の中では最も高いものです。

東寺はJR京都駅から一番近い、アクセスのいい場所にあります。近鉄線の京都駅から一駅の「東寺駅」からは徒歩10分。
東寺 交通のご案内

ホームページによると、10月27日から12月9日まで、秋の特別拝観で五重塔の初層が拝観できるとのこと!中に入れる五重塔は少なく、入れるとしても時期が限られているのでぜひ参拝とセットにして訪れてみたいですね。また、東寺は京都駅も近いこともあり、周辺には京都鉄道博物館(旧梅小路蒸気機関車博物館)など、一緒に回ると一日楽しめる観光ルートになります。

法観寺
法観寺は八坂神社の近くにあるお寺で、法観寺という寺名よりも「八坂の塔」という名前の方が有名かもしれません。法観寺は592年、聖徳太子が建てた寺と伝わりますが、少なくとも平安京ができる前からあったことは確実とされている古刹です。

法観寺の五重塔は高さが五重の塔は高さが46メートルあり、全国的に見ても東寺、興福寺(奈良)に次ぐ高さがあります。589年、聖徳太子によって造られましたがその後火災に遭い、現在のものは1440年に足利義教が建てたものです。文化財指定を受けている五重の塔の中で唯一、中を拝観することができます。


私も一度、この八坂の塔に行ったことがあります。遠くから見るとこんな感じ。こちらの方が馴染みのなる風景鴨しれません。


周辺にはお土産屋さんが並び、参拝客で混雑しています。近辺には、八坂神社、安井金毘羅宮、八坂庚申堂など有名な神社も沢山あるので散策にはピッタリ。

醍醐寺
醍醐寺は、874年に空海の孫弟子にあたる聖宝理源大師が山上で醍醐水の霊泉を得て、そこに小堂宇が建立し、准胝、如意輪の両観音像を安置した古都に始まります。ユネスコ世界文化遺産に登録されています。

また、豊臣秀吉はここで「醍醐の花見」が開きました。醍醐山全体が醍醐寺の境内ですが、五重の塔があるのは麓の下醍醐のほうで、醍醐の花見をきっかけに移築された寺院建築などが多く建ち並びます。

五重の塔ができたのは951年です。その後醍醐寺は応仁の乱などの戦乱に遭い荒廃しますが、五重の塔だけは難を逃れ、現在に至りました。京都府内に現存する五重の塔の中で最古のもので、高さは38メートルです。


醍醐寺へは地下鉄東西線の「醍醐寺」駅から徒歩10分。周辺にはあまり観光施設はありません。
醍醐寺 周辺地図・交通のご案内

仁和寺
仁和寺の歴史は仁和2年(886年)第58代光孝天皇によって「西山御願寺」と称する一寺の建立を発願されたことに始まります。 しかし翌年、光孝天皇は志半ばにして崩御されたため、第59代宇多天皇が先帝の遺志を継がれ、仁和4年(888年)に完成。寺号も元号から仁和寺となりました。

出家した宇多法皇が住んだために「御室御所」と呼ばれるようになり、その後も門跡寺院として皇室にゆかりのある寺となっています。ユネスコ世界文化遺産に登録されています。

多くの五重塔と同様、寺院と五重塔の建立は別々になっていることが多く、仁和寺の五重の塔は1644年に建立されました。高さは36メートルあります。東寺の五重の塔と同じく、各層の幅にあまり違いが見られないという特徴があります。これは江戸時代に建てられた五重の塔の特徴とも言えるでしょう。

紅葉でも有名ですが、仁和寺の桜は “御室桜” という遅咲きの桜が有名です。桜を背景にした五重塔も美しいですね!


仁和寺は京都駅からJR嵯峨野線に乗り換えて、「花園」駅から徒歩15分ほど。嵐電(京福電鉄)の仁和寺駅からは徒歩3分の距離です。詳しいアクセスはこちら 仁和寺 拝観・交通案内 嵯峨野に近いこともあり、周辺には有名寺社が沢山あります。人気があるのは、石庭で有名な竜安寺です。

まとめ

寺院を訪れる人は多いですが、中でも五重塔を中心に見る方は少ないのではないでしょうか?寺院は神社と違い、金堂や本堂で実際の仏像も見ることができるので、仏様をより身近に感じることができます。

次に寺院を訪れる機会があれば、ぜひ五重塔に注目してみて下さい。境内にある建物には一つ一つ意味がありますが、五重塔がある寺院は特に印象に残るものだと思います!