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3dman_eu / Pixabay

パワースポットが流行っていることで、神社仏閣を訪れる人が

大変多くなっている昨今ですが、神社ではなくお寺の場合、

拝むのは本尊の仏さまになります(神社の場合は、神様が

目に見えて安置されていない場合が多い)。でも、仏像には

沢山の種類があるので、正直よく分からないですよね?

それぞれのお寺には本堂にご本尊を安置されていますが、

今回は、その仏さま=仏像にはどのような種類があるのか、

探ってみました。

・ 日本の仏像は、「如来」、「菩薩」、「明王」、「天部」、
「羅漢・高僧」の5種類に大別されます。

1.如来(にょらい)

修業を積んで悟りを開いた釈迦の姿が基本とされています。

大衣(たいえ)と呼ばれる僧衣(そうえ)や裳(も)または

裾(くん)という腰布をまとい、宝冠や装身具はつけないのが原則。

如来は悟りを開いた覚者(かくしゃ)を意味し、仏陀・仏

(ぶっだ・ぶつ)とも言います。仏教の開祖の釈迦(紀元前4~

5世紀)の姿を擬人化した釈迦如来像をはじめ、薬師如来像、

阿弥陀如来像、大日如来像などがあります。


(新薬師寺 薬師如来)

2.菩薩(ぼさつ)

釈迦は出家する前は王子であったと伝えられています。菩薩は釈迦

が王子だった頃の姿が基本とされ、宝冠や胸飾り、腕釧(わんせん=

ゆびわ)などの装身具で飾り立てられています。菩薩は自ら悟りを

求め、また衆生を救済するために修業を積む者を指します。

弥勒・観音、普賢、文殊、日光、月光など多くの種類の菩薩像が

建立されています。ただ、弥勒は釈迦入滅後56億7000万年後に

如来になる未来仏と考えられているので、如来像としても造られ

ています。

ちなみに、人々に大変親しまれている”観音さん“の正式名称は

「観世音菩薩」。観音は数多くいる菩薩の中でも「広く人々の

声(音)を観察し、その中の苦しみから人々を救済する」慈悲深い

菩薩です。子供を護ってくれる地蔵菩薩など、一番親しまれている

菩薩様と言えるのではないでしょうか?


(法華時 十一面観音)

3.明王(みょうおう)

明王は密教(仏教の一派。呪術性を重んじる)で初めて登場します。

大日如来の使者である不動明王、愛欲を悟りの心に変える

愛染明王などが知られています。明王は憤怒(ふんぬ)の形相で

表されることが多いです。焔髪(えんぱつ)と呼ばれる炎のような

髪型に作られることが多い。


(西大寺愛染堂 愛染明王)

4.天部(てんぶ)
天部は古代インドの神話やヒンドゥー教の神々が仏教に取り込まれ、

仏を護る守護神とされたもの。梵天、帝釈天、四天王、金剛力士、

吉祥天などが挙げられます。四天王像は甲冑を付けた武人の姿、

吉祥天像は中国唐時代の貴婦人が着用していた、袖口の広い唐服を

着用していることが多い。


(法隆寺 吉祥天女)

4.羅漢・高僧(らかん・こうそう)

羅漢は最高の境地に達した尊者、高僧は各宗派の祖師

(始めた人)などを指し、十六羅漢や無著(むじゃく)・

世親(せしん)像などが作られました。羅漢や高僧、祖師の姿も

礼拝の対象とされてきたため、生前の姿を伝える高僧などの

彫像は、肖像彫刻とされています。聖徳太子像などもこれに

含まれます。


(興福寺 北円堂 無著)

まとめ

日本人であれば、お寺や神社に行くのは当たり前の行為で、修学旅行

などでも当たり前のように色々なお寺に参拝して仏像を見る機会も

多かったはず。道端で祀られている地蔵菩薩などは、小さな子供を

護る優しい仏様として、社会に多く親しまれています。

ただ、仏像はあまりにも種類も多く、きちんとした知識もないままに

参拝するパターンが多いのではないでしょうか?かくいう私も、

如来と菩薩の違いであるとか、天部である四天王像も“明王”だと

思っていました。仏像も奥深く、平安時代~鎌倉時代にかけて、

その様式も変化していきますね。仏像にも何種類かがあり、

なぜその仏像がそのお寺に安置されているのか?など、

背景知識があれば、今後の参拝に大いに役立つのでは

ないかと思い、今回は仏像の種類をお伝えしました。